2月に行われた日本総研主催の『未来2017』での最優秀賞のご褒美に、今回は新経済連盟のイベント『新日本経済サミット』にてAGRIBUDDYのプレゼンテーションをさせていただくチャンスをいただきました。
http://nest.jane.or.jp/pitchevent/
AGRIBUDDYは昨年の日経フィンテック、そして未来2017ともに審査員のみなさまから大変ありがたい評価をいただいてきたわけですが、今回は他の様々なスタートアップがしのぎを削っているピッチイベントの主催者たちから推薦を受けた、いわば選りすぐりのビジネスモデル11社が登壇するということもあって、まさに日本のスタートアップシーンを代表する人たちのプレゼンを聞くことが出来るとワクワク、そしてドキドキしながらの参戦となりました。
僕がこれまで2つのイベントで合計3回に渡りたくさんの人たちの前でプレゼンピッチをさせていただいた経験、そしてその結果を見る限り多くの日本の方々から素晴らしい評価を得られたことが確認できていましたが、日本を事業の主戦場としていないAGRIBUDDYが次のステップに進むためには、日本国外でのイベントへの参加や外国人投資家へのプレゼンが必須であり、そのためには「英語で日本人以外の聴衆の心を掴むことが出来るプレゼンテーション」が出来なければダメだと常々考えていました。
そいういった観点からも今回の新経済サミットでのピッチは審査員の半分以上が外国人ということで、この次なるステップに行くための試金石としてはうってつけの機会だと思い、登壇者をあえて僕自身ではなく、盟友でもあり英語ネイティブでもあるインド人のRajeshで挑戦してみることにしました。
そもそものRajeshとの出会いは2015年、僕がサンフランシスコで投資家と話をする機会を得ることが出来たときに「誰か英語でのプレゼンテーションを教えてくれる人が居ないか」と探してもらった結果紹介されたのが始まりでした。それまでにも何度も日本語で日本人に事業の概要について説明しても、中々思ったように言いたいことが伝わらずもどかしい想いをしていたにもかかわらず、英語でしどろもどろになりながら説明した事業モデルを、次の日に「要するにこういうことだよね?」と言いながら細部まで完璧に僕が言いたかったことを理解して流れるようなプレゼンテーションをされた瞬間のことは今でも明確に覚えています。
そんなRajeshにプレゼンを任せると決めた以上、僕はストーリー構成からスライドのデザイン、作成などを全て彼に一任しました。それでもちゃんと評価されて結果が出るのであれば、それはある意味僕達、いや彼自身が『強いヒキを持っている』と言えるのではないかとも考えていました。国際会議で日本人に発言させることと、インド人の発言を止めることが出来る議長は居ないという冗談があるくらいインド人は口数が多いわけですが、今回のピッチは制限時間が5分しかありません。そういう制約の中で彼が制作したスライドを主催者に送ったところ、AGRIBUDDYの紹介者として一緒に登壇してくださる日本総研の東さんから「もっと具体的なビジネスモデルがわかる内容をスライドに盛り込んだほうが良い」というアドバイスを頂戴したので、それをRajeshに伝え大幅に改良することになりました。僕からのアドバイスという形では無く、第三者からのアドバイスをいただけたのは非常にありがたかったです。
そして前日のリハーサル。アドバイザーの方々の前で実際に本番通りのピッチをするのですが、ここで時間の制約を気にしたRajeshは早口になりすぎて噛みまくり、そしてスライドを送るリモコンのボタンを触りすぎて話の内容と噛み合わないスライドまでドンドン進んでしまうという、翌日の本番へ一抹の不安を残す内容となりました。そこでもイベントアドバイザーの方から「スライドの文字数を減らしてキーワードをもっと大きな文字にしましょう」というアドバイスをいただいたので、さらに改良を重ねたようです。
そして本番。今回からAGRIBUDDYの役員になっていただいている倉橋さん、そして会計士として参画してくれた芝くんが会場となったホテルニューオータニまで駆けつけてくれた中、他の登壇者のピッチが始まりました。自分が登壇する場合は、ある意味開き直っているのであまり緊張もしないのですが、今回はいつもとは全く違う独特な感覚です。僕の中で密かに賭けている「次なる展開への第一歩への期待」は、果たして吉と出るのか凶と出るのか・・・。
素晴らしいプレゼンでした。非常に聞き取りやすい英語とリズム、伝わる情熱と事業の意義。Rajeshは期待どおりの仕事をやってのけてくれたので、後は審査員の評価を待つだけ。
そして発表。優勝は2社になったとのアナウンスと共に発表された一社目は「ポケットマルシェ」、僕がもっとも強力なライバルだと考えていたところではありませんでした。となると、もう一社がうちかそのライバルかどちらかなのだろうか?久々に手に汗握る瞬間を味わいました。
事業の考案者であり創業者の僕自身ではなく、日本語を全く話さない外国人のRajeshが日本企業主催のイベントで英語でプレゼンをやり、外国人の審査員が半数を占める中でも評価を受けることが出来た。これは僕達の次へのステップに取って非常に大きな一歩です。
AGRIBUDDYの初期構想段階から立ち上げ、そして前回の資金調達まで2人3脚で奮闘してくれた加藤さんは受賞の翌日4月7日が誕生日。早速このこともブログに書いてくださいました。
http://katou.jp/?eid=585
改めまして、今回の機会を作ってくださった日本総研の東さん、そして常にサポートしてくださった鍵政さん、初来日のRajeshを心から楽しませるために奔走してくださった倉橋さん、食事にお付き合い頂いたみなさま、本当にありがとうございました。現在いただいている評価は、あくまでも僕達の未来への期待であることを理解していますので、必ず実現させるように頑張っていきます。これからも応援をよろしくお願いします。