ボイジャー1号が太陽圏外まで到達し、イーロン・マスクが人類を火星に送り込もうとしている現代ですら、途上国僻地に暮らす農家の実態は全く掴めていないという事実…

農作物というと、日本のみなさんはコメもしくは野菜類を想像するのだけれど、現実的に世界で栽培されているほとんどの作物は「農作物の形ではなく」食卓に上っている。例えばアルコール類、食物油、調味料、肉類などなどの原料になっているも全て農作物だ。で、こういう作物が農家から直送で一般消費者の手に渡ることは絶対にない。

サラダ油を作るための大豆とか農家から直送されたってどうにもならないw

さてさて、今現在でも我々が食用の家畜を育てるための飼料原料作物を栽培している農地面積は約36億ヘクタール、アフリカ大陸より大きな面積らしい。ちなみに日本の田んぼや畑を全て合計した農地面積は465万ヘクタールなので、774倍ということになる。さらにコメやトウモロコシや大豆、麦などの穀物類を栽培している農地面積が南米大陸と同じくらいの17億8千万ヘクタールらしいのだけれど、もうなんにしても規模が大きすぎて全くイメージが掴めない(笑)

【参照元】
増え続けている世界の人口に対し、地球はどのレベルまで人類を抱えることができるのか?
http://gigazine.net/news/20160428-how-many-people-can-earth-hold/

さて、実はこんなにも広大な面積で栽培されている作物は、その栽培農家の実態も流通経路もほとんどがブラックボックスの中にあって、実際のところがよくわかってないんですよね。もちろん統計データとしては存在しているのだけれど、現実の世界では栽培農家から市場に出るまでの複雑で入り乱れた利害関係とか、栽培するために使用されている肥料農薬の種類や量とか全く把握出来ていない。はっきりとわかっているのは「仲買人」と称される各村に入り込んでいる連中が、加工工場などのマーケットに作物が届くまでに何重にも重なり合って少しづつ利益を吸い上げ、数を誤魔化し、場合によってはクオリティーを下げることに一役買っているということだけ。

さらにその仲買人の連中は、キャッシュが不足している農家を「援助」するという名目で金を貸し付け、その金利分で作物の実質買取価格を下げ、また作物の買取代金の支払サイトを伸ばすことで農家のキャッシュフローを悪くして、借金から逃れられない構図を作っている。これは、仲買人の誰かが悪いやつだというような話ではなく、社会の構造がそのように出来上がってしまっているので中々簡単には変わらないだろう。しかし、ようやくインターネットとスマホの急激な進化によって世界の僻地に住むような人々であっても、自分たちの現実の状況を直接世界に伝えることが出来る時代になり、このような社会構造上の問題を破壊することが可能になる兆しが見えてきた。

農業系ベンチャーでは、どうしても農家と消費者を直接つなぐ「Farm to table」が注目されがちだけれど、僕たちAGRIBUDDYは僻地の農家から加工工場などの買受人を直接つなぐ「Farm to factory」を実現すべく、世界の誰もがまだ手にしていない農家のリアルなデータを収集し提供していきたいと考えています。

と、そんなわけで近いうちに次なるステップへの発表と行いたいと考えていますので、乞うご期待。

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カンボジアからモザンビークに行くついでに、南アフリカのケープタウンに立ち寄ってみた話を聞いてくれ

AGRIBUDDYが日経フィンテックのイベントNikkei FinTech Conference 2016で最優秀賞をいただいた際に、多くの方々から「むちゃくちゃ面白い人が居るから紹介したい」と言われていた、モザンビークで銀行を作ろうとしている合田さん。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/334361/071400623/?ST=smart&P=3&rt=nocnt

9月にご自身でシェムリアプにご訪問いただき、その後も現地で『モザンビーク北部訛りのポルトガル語』を操りながら奮闘している関さんや、UCCのコーヒープランテーションの礎を築いた三本木さんにも訪れていただいていたので、僕もモンザンビークに交換留学よろしく訪問させていただきました。

せっかくアフリカまで行くんだから、ついでに以前からずっと行ってみたいと思っていた南アフリカのケープタウンにも足を伸ばしてみました。

山と海が一気に見渡せて、風光明媚で治安も良いと聞いていたケープタウンですが、されとてアジアよりは色々とハードルが高そうなイメージが拭いきれないアフリカ。しかも南アフリカといえば世界的に『リアル北斗の拳』を地で行く治安の悪さで名高いヨハネスブルグを抱えている国なので、それなりの警戒心をいだきながらの訪問となりました。が、色々と事前の設定が間違っていたことに気づきまくりの旅になりました(っていうか、僕の事前設定が合っていた試しが無いという噂も有るのですが・・・)

まず第一に、モザンビークに行くのにケープタウンは全く『ついでの距離』では無かったこと。合田さん率いるチーム「日本植物燃料」のみなさんが居られる訪問目的地のペンバは、モザンビークとタンザニアの国境近くに位置するのですが、ケープタウンからは直行便が存在しておらず、ヨハネスブルグ経由で7時間半も掛かる距離でした。日本から7時間半あればハワイやオーストラリアに行ける距離なので、全く『ついで』の距離では無かったです。同じアフリカ大陸南部の国同士なのにこの距離感、アフリカ大陸デカイです。

さらにケープタウンは、本当に風光明媚で自然が豊富で治安が良くて気候が素晴らしくて、まるでアメリカ西海岸ベイエリアの超高級住宅街を彷彿させるような場所でした。僕が宿泊した場所は、ケープタウンでも屈指の高級住宅街キャンプスベイというエリアなのですが、ここには海と山を最高のシチュエーションで同時に見渡すために趣向を凝らした家が並んでいます。一軒家を買おうとするとお値段は最低で3億円くらい。そんな豪邸を宿泊施設に使っている物件に泊まってみたところ、1泊1万円少々の超お値打ち価格。
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こんな素敵な場所に家族と一緒ではなく、ひとりぼっちで行ってしまったことに若干後悔してしまいました(笑)

余りにも清々しいので、基本的に走ったりしないことを是としている僕ですが、朝からランニングとかしてみました。5分で大西洋に面したビーチに到着すると、そこではロードバイクをかっ飛ばしている団体、ものすごいペースで坂を駆け上がっていくランナー、ビーチで瞑想をしている人々。みんなやたらめったら健康的w

夕暮れ時も色気たっぷり
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ここからタクシーで10分ほど行くと、ウォーターフロントという最もホテルの価格が高いエリア。ディズニーランド的な船とテーブルマウンテン。あまりにも上手くまとまりすぎていて、途上国の暮らしに慣れきってしまった僕にはなんともケツの座りが悪かったのが難点ですねぇ・・・。
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当初はケープタウンで2泊して、ヨハネスブルグも怖いもの見たさで1泊寄ってみる予定をしていたのですが、誰に聞いても「あんな場所に何しに行くの?」「行っても危ないだけで見るもの無いよ」「っていうか、もう喜望峰とか行ったの?」とボロカスに計画をディスられたので予定を変更して3泊をケープタウンで過ごし、「ヨハネスブルグに行く前に希望峰に行くでしょ、普通は」と言ってくれた出稼ぎジンバブエ人が運転するUberをチャーターして、小学生のころに習った覚えの有る喜望峰に行ってみることにしました。
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インド洋と大西洋がぶつかっている場所、らしい。左がインド洋、右が大西洋。波が低いときだと、水温の差のせいで明確に色が違って見えるそうだ。
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野生のペンギンとアシカ
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ペンギンって南極の氷の上にのみ居るものだと思っていたけれど、ケープペンギンは森のなかに居たりするらしい。

いやマジでケープタウン、素晴らしかったです。こんな場所に暮らしてみたいなと思った反面、僕には色々と健全すぎて、やっぱり現実的には旅行で来るくらいが性に合っているかもしれないですねぇ。

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一度の失敗が人生を決めてしまうと恐れて、起業や国外への進出を恐れているすべての人へ「若者よ、アジアのウミガメとなれ」

僕自身がカンボジアを皮切りにアジア・そして世界の途上国にむけてAGRIBUDDYというサービスを提供し、アジアのウミガメとなるべく日々奮闘している一人でも有り、そして何よりも加藤さんご本人にその挑戦を「ヒト・モノ・カネ」の全ての側面でサポートしていただいている一人としては、この本に書かれていることを通して加藤さんという人物について触れないわけにはいかないだろう。

あまり内容の詳細を書いてしまうとネタバレしてしまうので割愛するが(笑)、冒頭は加藤さんが学生時代に先輩たちと一緒に起業して一世風靡したにも関わらず、大卒一年目に事業モデルの前提となっていたルールが根底から変更されて倒産するという、まさに『起業=リスク』という事例そのままのひどい目に合うといったエピソードが披露されている。まぁ普通の人であればここで人生が詰んでしまって、一生「起業なんてしないで新卒で就職していれば良かった」と悔やみながら過ごすことになるんだろうと考えるのかもしれない。

世間の殆どの人は、事業で失敗すれば復活することなんて不可能でその後は貧しい生活が待っている、と思い込んでいる。ところがそれは、全くの思い込み違いも甚だしい話なのかもしれない。

僕はありがたいことに加藤さんを通じて、このときの「学生起業〜倒産」を一緒に経験した人々とご一緒させて頂く機会が多いのだが、みなさん上場企業のオーナー社長だったり役員だったり、むちゃくちゃ儲かるビジネスをやっていたりで、誰も彼もが大成功しているという一種異常な集団となっている。『そもそも才能のある人達が同じ時期・同じ場所に集まったから、その後も大復活が出来たのか、それともこのような経験をしたからこそみなさんの今が有るのかどっちなんだろう』と考えたり、実際にそのように質問させていただいたりしたことも有るけれど、多分答えは後者なんだろうと僕は思っている。

殴られたことのないプロボクサーも、転倒したこと無いプロスキーヤーも、クラッシュしたことのないプロレーサーも絶対に居ない。事業だって同じことだろう。そして失敗は若いときほど傷は浅く治りも早い。これこそが加藤さんが積極的に若い人たちに話をしに行く最大の目的だろう。

加藤さんには、AGRIBUDDYの資金調達で投資家回りをご一緒頂く機会もまた非常に多いのだが、とんでもなくタイトなスケジュールを押し込んでくる。実際にタイトすぎて加藤さんと一緒に電車の駅構内をダッシュしたことも何度も有る(笑) っていうか、加藤さんがダッシュするから僕も走るしか無いわけだけれど、僕が加藤さんくらい有名な人だったら平気で相手を待たせてしまっていただろう。この実直さも加藤さんの魅力の一つなんよな〜とか学ばせてもらいながら、ふと気がつくと空いた1時間弱を割いてネットで連絡してきた見ず知らずの学生と待ち合わせをして、真剣にアドバイスをしたりしている。

多分、知っている人は多いと思うが加藤さんはTwitterとかFacebookの投稿数も非常に多い人だ。で、四六時中誰かと会っている。なのにも関わらず僕からのメッセージなどに関しては、ほぼ即レスだ。レスが返ってこないときは多分飛行機の中で物理的に返信出来ないときくらいなんじゃないだろうか(笑) 夜中まで事業の相談に付き合ってもらったことも一度や二度ではない。それくらい多忙なのに、まだ新たな見知らぬ若い人たちと時間を見つけては会おうとしている。

実は僕自身が、加藤さんにTwitterを通して連絡を取って会ってもらった『”元”見知らぬ人』の一人でも有る。残念ながら若くは無かったけれど。そして、そのことがきっかけになって事業に出資をしていただき、様々なピンチを一緒に切り抜けてもらい、AGRIBUDDYという1アイデアを実現するチャンスを作ってもらって、さらにはそれを本格的に事業化するための提案をしてもらって今に至ってます。

ただでさえスケジュールがいっぱいの加藤さんには怒られるかもしれないけれど、若い人はもっと臆さずに加藤さんに連絡を取ってみるべきだと僕は思う。まずは本を読んでみて、何か感じるところが有ったのであれば、次は実際に会いに行ってみるべきだろう。そしてぜひ、どんな手段を使ってもチャンスを作って加藤さんとマンツーマンで話す機会を手に入れてほしい。こんな面白くて、バカ正直で、若い人に対して一生懸命なおっさんって、そうそう巡り会えるものではないと思うから。

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