来年のテーマ

今年も残すところ後2日となったにもかかわらず、ここカンボジアでは全くと言っていいくらい年末の雰囲気が皆無だ(笑) 観光に携わる仕事をしている人は流石にいつもの3倍増しくらいの忙しさに目が回っているようだけれど、僕のように観光とは全く関係ない暮らしをしているとそういう感覚さえ感じることが出来ない。

理由は簡単。

カンボジアの正式な正月は4月だからだ。その前に中国正月もあるから、カンボジアに暮らしていると実に年3回正月が来る計算になる(笑) カンボジア(この近辺全てなのかも知れない)は、いわゆる旧暦の行事ごとの2ヶ月遅れだ。日本も本来旧暦で言うと正月は中国と同じ2月だったはず。そして世界的な行事ではない盆は8月。カンボジアはそれぞれその2ヶ月遅れの正月4月、お盆10月っていう寸法になっている。

まぁそんなことはさておき、去年の年末に何となくイメージした今年のテーマは『挑戦』だった。その時点ではまだカンボジアに引っ越すことになろうとは夢にも思っていなかったのだけれど、今あらためて振り返ってみると確かに様々な事に挑戦することが出来た1年だったと思う。

もちろんその挑戦の中には結果を出すことが出来たものから、全く箸にも棒にも引っかからなかったもの、そして今なお結果を信じて待っているものまで様々ある。でも形にならなかったものでさえ、様々な種まきになったことだけは確かな事実だと手応えを掴んでいる。

更には、適当に言いたいことを書きなぐっているだけのブログにしては、このブログを読んで僕に会いたいと言ってわざわざカンボジアまで訪ねてきてくれた人がかなりの人数に上ったのも、今年の収穫の一つでもあった。残念ながら人の好き嫌いがとてつもなく激しい僕には、どうしてもこの人とは仲良く出来ないなと感じたことも多々あったのだけれど、それは別に相手の人のせいでもなんでもなく、只々僕の気ままな性格のせいだとここで改めてここで言わせていただけるとありがたいです。

さて、このように自分で決めたテーマどおりの1年を(というか去年も思ったとおりの1年だったので、今年で2年目だ。ちなみにその時のテーマはもうすっかり忘れてしまったのだけれど・・・)過ごすことが出来たのなら、来年のテーマもそろそろ決めてしまったほうが万事楽しいに決まっている。

ってな訳で、来年のテーマは『結実』

今年撒いた種が来年実を結ぶ年にする。 これはなにも最終形態になるって言うのではなく、これから収穫サイクルを繰り返していくそのターニングポイントになるという意味だと思っている。いや、思い込んでいます(笑)
ではまた来年も、このブログ共々よろしくお願いします!

みなさんに素晴らしい新年が訪れますように。

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孤児院の問題様々

カンボジアの子供達の瞳がキラキラしていて素敵だった、なんていうような話をしている人をよく見かける。 まぁ確かにやつらの瞳はキラキラしているが、たいてい子供なんてよく見てみれば世界中どこの子供だってみんな瞳が輝いているはずだ(笑)

で、この数日そのキラキラ瞳が輝いている子供達の住む孤児院の色々な問題などで、かなりの時間を費やさされていた。

基本的に余り泥臭い話には首を突っ込みたくないので、孤児院に毎日行ってどっぷりと運営にはまり込むような真似は極力避けてはいるのだけれど、なんだかんだとトラブルやイベント事があるたびに必ず呼び出されるハメになる。

今回はクレアから大至急孤児院に来て欲しいと呼び出され、その直後にクレアのことを心配したオーストラリアにいるクレアの親父からもすぐに孤児院に行ってくれないかと電話がかかってきたので、行かないわけにはならなくなった。

なんのことかと駆けつけてみると、要は孤児院を出て行きたいという子供達が謀反を起こしていた。。。

孤児院を出ていってどうするんだという人に少し説明しておくと、うちには全く身寄りが居ない子から片親が近くに住んでいる子まで様々いる。 その中でも身寄りが孤児院の近くに住んでいる子供達は、ちょいちょい自転車に乗って会いに行って、ちょっとした小遣いをもらって帰ってきたりしている。

たまに会いに来ればもちろんカワイイわけで、身寄りの人も優しく接するは小遣いはくれるはで、子供達にとってはいつも『勉強しろ』とか『朝早く起きろ』とかガミガミと怒鳴りつけられる理事長よりも優しくて素晴らしい人ってことになる。

挙句の果てには『理事長は自分のお父さんや親族ではないから自分に厳しく接するんだ』という理論に突き当たったってわけ。 だって本当に優しい人なら親族じゃなくったってクレアみたいに自分に甘く優しくしてくれるはずだから・・・

子供達と友達になってしまっているクレアにも若干の問題点があるんだけれど、これについてはまた後日にでも書こうと思う。

もちろん理事長を始めとする運営者の家族がみんな完璧だとは口が避けても言うつもりはない。 酒を飲んで機嫌が悪い時もあれば、夫婦で殴り合いの喧嘩になったこともある。 勉強に関しては子供達もかなり強制的にさせられる。 子供の世界観ではそんなロクでもない人物はこの世に理事長だた一人しか居ないってことになるんだろう。

言いたいことを全部言わせたほうがいいだろうと思って、子供達50余名を集めてミーティングをしたんだけれど、実際に大きな不満を持っている子は約数名。 『お前たち今の自分がどんなに恵まれているか分かってないんだ』という話をしてみたけれど、勉強したくない怒られたくない出ていきたいという気持ちには変りがないようなので、親族に引取りに来てもらうことにした。

実際問題、親元で生活している普通の家の子供達が12歳やそこらから働き出して、英語なんか全く話せない状況だったりするのに、うちの子供達は英語は当たり前に話せるし、働かずに勉強に遊びに専念できるし、はっきり言って村の子供達よりよっぽどきれいな格好をしている。

翌日なんのこっちゃよくわからずに孤児院に呼び出された親族たちを交え、もう一度子供達を説得することにした。 理由はただひとつ。 今勉強をヤメて親族の元に行くということは、彼らにとって将来の可能性がゼロとは決して言わないが、とてつもなく小さくなってしまうから。

親族も自分のところに来られたって面倒をみることも出来ないし、勉強を続けて欲しいしで必死になって説得していたけれど、それも結局実ることはなく、5名が孤児院での生活に別れを告げる事になった。

そもそも誰も面倒をみることが出来なかったから孤児院で生活することになったのに、もちろん親族の収入が増えたとかで引き取りたいって話なら一番いいんだけれど、それを望んでいないというか望めない生活環境の親族の家に無理やり引きとってもらったところで、何らかの問題が解決されるとは到底思えないんだけれど、まぁこれも彼ら自身の人生、僕にはどうすることも出来ないし仕方がない。

うちの子供達には、前回日本に招待されたことによって、自分たちも努力をすればあんなふうに海外旅行に言ったり、楽しい思いができる可能性があるということを身を持って体験させることが出来たと思ってる。だから今度はその反対を体験させなければ、彼らはいつまでも自分が『恵まれていない可哀相な存在だ』という思いから抜け出せないということが今回のことではっきりと分かった。人間は恵まれた環境の中にいるときにはその事に気がつくことが出来ない。 だからこそ広い視野で客観的に自分の状況を知ることが本当に大切だと思う。

これはもちろん僕自身を含む多くの日本人にも言えることなんだけれど。

次のテーマは自分たちを『可哀相な存在』から『恵まれた存在』へと認識の変化をさせること。 そして恵まれた存在だからこそやるべきことがある、頑張る必要があるということをしっかりと教えたいと思う。 そのためにも寄付に頼った運営をいち早く抜け出させたい。

あぁ、その前に『可哀相なカンボジアの孤児』に会いに来る外国の人々もなんとかしなきゃいけないな・・・

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危ういところ・・・

カンボジアの森林はもれなく国有地になるとカンボジアの法律には記載されているようだ。 ちなみにカンボジアの国土の80%は未登記のままなので、国もその他の誰もが一体どこが誰の土地なのか完全に把握はしていない。
そのためカンボジア政府は2002年の衛星写真を元に森林の場所を特定し、その場所を国有地として管理することにより違法な森林伐採を防ごうとしているようだ。

で、今回我々が取り組んでいるリムチャ村の開発なんだけれど、この場所も2002年当時は森林だったようだ。 現在は写真のように森は無く、村人や金儲けに走った連中に物の見事に木を伐採されてしまっている。

しかし現在も国が把握しているのは2002年の状態なので、今も森林であり国有地となっているらしい。カンボジアの法的な貧困対策の取り組みとして『ソーシャル・ランド・コンセッション』というものがあり、1000ha以下の土地に関しては州政府が自由に開発許可を与え、土地を持たない貧しい農家に1家族当たり2haの土地を与えることができる。ただし、この場合該当する土地が国有地である場合は、一旦州政府からカンボジア政府に開発許可願いを申請して、森林指定を解除してもらい土地の所有権を州政府に移転してもらわなくてはならない。

もちろんこのリムチャ村プロジェクトの場所も森林と指定されている以上国有地なので、そのように手続きを行わなければならないのだが、いかんせん現状が森林ではないために州知事が『州政府の土地である』と勘違いしていたようだ(笑)我々HUGSが契約するに当たって弁護士に全ての書類を確認させたところ、まだ不備があると指摘されていたのはその部分だった。

州知事としては以前僕との面談も済ませ、書類もすべて整え完全にHUGSに対して許可を与えているつもりだったのだから、今更アシスタントに『まだサインが必要な書類が残っています』と告げられて激怒したようだ。『1000ha以下の土地の開発許可に関してはカンボジア政府から州政府に許認可権を移譲されている。州トップの自分が直々に許可したものをどうしてまたカンボジア政府にお伺いを立てなければならなんだ?オレをナメているのか!!』

カンボジアは金とコネとメンツの国だ。 特に政府は早い話日本のヤクザ組織のような感じでもあるから、親分がカラスは白いと言えば黒いカラスも白くなる。 そのような中で間違いを指摘して理解してもらうのは、アシスタントの役人も大変な気苦労であっただろうことは容易に想像できる。

おかげさまで本日どうにか知事の理解を取り付け、再び書類にサインをし直してカンボジア政府に書類を送ってもらえる運びとなったが、もしあのまま知事のサインと現地NGO代表者の言葉を鵜呑みにして開発を進めていたらと考えるとゾッとする。人助けのために行ったプロジェクトで、下手すりゃHUGSが森林を伐採して開発したとか、はたまたそれをお目こぼししてもらうために賄賂を払ったんじゃないかとか、あらぬ濡れ衣を着せられちゃたまったもんじゃない。

いやはやいつも本当にいい勉強をさせてもらってますよ・・・ 後はもう少しクメール語を話せるようにしなければ(というかもう何度も書いているが、これも来年の目標の一つです)いつまでも英語だけに頼っていては進歩がないなぁ。 頑張ろう

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