危ういところ・・・

カンボジアの森林はもれなく国有地になるとカンボジアの法律には記載されているようだ。 ちなみにカンボジアの国土の80%は未登記のままなので、国もその他の誰もが一体どこが誰の土地なのか完全に把握はしていない。
そのためカンボジア政府は2002年の衛星写真を元に森林の場所を特定し、その場所を国有地として管理することにより違法な森林伐採を防ごうとしているようだ。

で、今回我々が取り組んでいるリムチャ村の開発なんだけれど、この場所も2002年当時は森林だったようだ。 現在は写真のように森は無く、村人や金儲けに走った連中に物の見事に木を伐採されてしまっている。

しかし現在も国が把握しているのは2002年の状態なので、今も森林であり国有地となっているらしい。カンボジアの法的な貧困対策の取り組みとして『ソーシャル・ランド・コンセッション』というものがあり、1000ha以下の土地に関しては州政府が自由に開発許可を与え、土地を持たない貧しい農家に1家族当たり2haの土地を与えることができる。ただし、この場合該当する土地が国有地である場合は、一旦州政府からカンボジア政府に開発許可願いを申請して、森林指定を解除してもらい土地の所有権を州政府に移転してもらわなくてはならない。

もちろんこのリムチャ村プロジェクトの場所も森林と指定されている以上国有地なので、そのように手続きを行わなければならないのだが、いかんせん現状が森林ではないために州知事が『州政府の土地である』と勘違いしていたようだ(笑)我々HUGSが契約するに当たって弁護士に全ての書類を確認させたところ、まだ不備があると指摘されていたのはその部分だった。

州知事としては以前僕との面談も済ませ、書類もすべて整え完全にHUGSに対して許可を与えているつもりだったのだから、今更アシスタントに『まだサインが必要な書類が残っています』と告げられて激怒したようだ。『1000ha以下の土地の開発許可に関してはカンボジア政府から州政府に許認可権を移譲されている。州トップの自分が直々に許可したものをどうしてまたカンボジア政府にお伺いを立てなければならなんだ?オレをナメているのか!!』

カンボジアは金とコネとメンツの国だ。 特に政府は早い話日本のヤクザ組織のような感じでもあるから、親分がカラスは白いと言えば黒いカラスも白くなる。 そのような中で間違いを指摘して理解してもらうのは、アシスタントの役人も大変な気苦労であっただろうことは容易に想像できる。

おかげさまで本日どうにか知事の理解を取り付け、再び書類にサインをし直してカンボジア政府に書類を送ってもらえる運びとなったが、もしあのまま知事のサインと現地NGO代表者の言葉を鵜呑みにして開発を進めていたらと考えるとゾッとする。人助けのために行ったプロジェクトで、下手すりゃHUGSが森林を伐採して開発したとか、はたまたそれをお目こぼししてもらうために賄賂を払ったんじゃないかとか、あらぬ濡れ衣を着せられちゃたまったもんじゃない。

いやはやいつも本当にいい勉強をさせてもらってますよ・・・ 後はもう少しクメール語を話せるようにしなければ(というかもう何度も書いているが、これも来年の目標の一つです)いつまでも英語だけに頼っていては進歩がないなぁ。 頑張ろう

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危ういところ・・・」への7件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    どうみても、森ではありませんよね。
     ( ̄ー ̄;
    無理もない話だと思いますが、早めに分かってなによりでした。アシスタントのお役人さんも、胸をなでおろされていることでしょう。
    ( ̄▽ ̄)=3
    お疲れ様です!

  2. SECRET: 0
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    >あやめさん
    コメントありがとうございます!
    でしょ?どうみても森ではないですよね(笑)
    カンボジアで木の違法伐採はかなりの重罪です。元々森だったところを我々HUGSがこんな風にしたとか言われて逮捕されたらたまったもんじゃありませんが、そういうことを言われかねないのが途上国の怖いところです(((( ;°Д°))))
    引き続き頑張ります!!

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    >acky(東南アジアに焼き鳥屋出店計画中)さん
    州知事というより国家政府がヤクザ(笑)
    まぁでもそんなもんどこの国も一緒だけどね・・日本がそうじゃ無くなったから弱いだけだと思うよ

  4. SECRET: 0
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    整備を始めると何処からか人が湧いてきて居座り、先住権、既得権を主張する、所謂ゴネ屋が出てくると聞いています。
    気をつけて頑張って下さいね☆

  5. ピンバック: 文明の利器 | 北浦健伍の「僕、カンボジアに住んじゃいました」

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