インディアン嘘つかない

結局ほとんどなんにもしないうちにインドでの4日間滞在が終了した。

どこに行っても「インドは初めてか?何日滞在する?」と聞かれて「4日間の滞在だ」と答えると、いったいたったの4日間で何をしに来たんだと異口同音に聞かれた。

そんなこと僕自身が一番聞きたい質問だ(笑)

まぁそれでも一通りデリーを中心とした観光客が回らなければならない必須の場所には行っておこうと車を手配して、タージマハールやその他もろもろ昔のインドの王様の浪費っぷりを見て回った。




タージマハールは名前は知っていたけれど、デリーの近所に有ったと言う事はもちろん今回インドに来て始めて知った(笑)

インドの観光地にはどうやら政府公認の押しかけガイドがたくさんいるようで、どこに行っても色々なガイドが声を掛けてきてくれるから、その中から比較的英語が聞き取りやすくて機敏そうなやつを選んででたらめに安い金額をこちらから言って値引きさせる。


一人選んでおけばもう他には声を掛けてこないばかりか、道順や説明さまざまな段取りなど何かと重宝したし、タージマハールの時のガイドなんてディズニーランドよろしく並んでいる長蛇の列をブッチギリ「こっちです!!」とか言って僕を横入りさせて
「僕はあなたの時間を2時間以上セーブしましたよ♪」
とニコニコしながらチップを請求してきたようなツワモノだった。

ただしこのガイドたちにも一つ欠点があって、その後に自分の知っている場所に連れて行き土産物を買わそうとする。

しかもそういった土産物屋は、客一人に接客係がマンツーマンで張り付く、日本で言うなら大塚家具のようなスタイルの販売方法を取っているみたいで、あんまり説明を聞いてから断るのも面倒だから僕は最初から
「何も買うつもりは無いよ」と言うんだけれど、
彼らも「いえいえ、まずは説明を聞いていただくだけで購入は全然しなくて結構です」
とか言ってくる・・・


そのセリフを最後まで聞かないうちに止める手を振り切って店の外に出ると、「日本人を連れて来た」と一仕事終えたような顔をして寛いでいたガイドが、一体何が起こったのかわからず慌てて店に飛び込んでいく(笑)

そんな馬鹿なことをして遊びながら宿泊地のジャイプールという町に到着したのが、すでに日も暮れた8時くらいだった。

運転手のラジという親父が結構朴訥としたいいやつで、一人友達がいるからちょっとここで待たせて欲しいとスーパーの前で車を止めたし、僕もインドでは必ずなるというお腹痛の兆候があったから近所の病院のトイレに駆け込んだ。


案の定、腹を下していたので英語でなんて言うんだろうと電子手帳で調べてみると
“デリーベリー”と書いてある・・・もちろんデリーは僕が今いるデリーのことだ・・・

流石インド、それが言葉になってしまうくらいみんなお腹を壊すんだ、とデリーのトイレの中で腹痛と闘いながらも感心している僕がいた。

下痢=デリーベリー・・・一生忘れないだろう(笑)

闘いに打ち勝った安堵感で車に戻ると、漫画に出てくる悪役レスラーみたいなインド人顔のやつが席に座っていて必殺巻き舌英語で自己紹介してきた。

どうやらラジのことを親父のように慕っているということらしく、今からここに酒を持ってこさせるから一緒に飲もうということらしいが、ただでさえ押しの強いインド人の中でもことさら押しが強そうなこいつが、僕より1年年上だと言う事がわかり、押しかけ兄貴よろしく親切にしてくれる・・・結構迷惑だ・・・

けっきょく僕の泊まるホテルのレストランに行って、レスラーの後輩に持って来させたウイスキーを飲むことになったんだけれど、ウイスキーとソーダと水を1:1:1で割った結構濃いやつを作って僕に飲めと言う。



自分たちも同じのを作って飲み干しているから、次のやつを作ってやろうとすると
「ケンゴが飲みほすまで俺たちも次が飲めない、これがインド式だ」とか、酒を発明したやつに殺意を覚えそうなことを言ってくる。

どうしてこうも酒飲みというやつは相手が飲まないということを許してくれないんだろうか・・・
この部分に関してだけは世界共通のようだ。

なんだか嫌に酔っ払うなぁとか思ってボトルのラベルを見ると、アルコール度数が75度もあった♪



インド人の日本人に対する評価は他の親日国とは少し違うようで、もっと神話的に日本人を評価している。

そもそもインドの国会では原爆記念日には黙祷をしてくれるくらいだし、その広島と長崎をボロボロにされたのに、頭脳一つで世界有数のハイテクと電脳の国にのし上がり、嘘をついたり騙したりするようなことが無い素晴らしい人々が住んでいる国というような評価だ。

色々な国の日本評を聞くたびに、一番日本のことを良く思っていないのは実は日本人自身だと思うようになった。

どうしてそんなことになってしまっているんだろう?
こんなにあちこちで褒められているのに、もっと自分の国を誇りに思ってもいいじゃないかと思うんだけれど、そういう考え方は右翼的なんだろうか?

ところでインドの運転もネパール同様かなりひどい、というよりこちらが本家本元か?

どんな隙間でも鼻先を突っ込んでいくし、クラクションボタンを加速ボタンか何かと勘違いしているように押しまくる。

しかも途中で気がついたんだけど、恐ろしいことにみんなミラーをたたんでいる!要は最初から後ろを確認する気持ちすらないようだ(笑)


ドライバーのラジは「みんな全然急いでいないのに無理やり突っ込んでくる運転をしてむちゃくちゃだ、本当にどうなっているんだか・・・」と毒づきながらクラクションを鳴らしまくり、今にも誰かを轢いてしまいそうな運転をしている・・・

極めつけはこれ、ハイウェイの路肩を逆走しているところだ(笑)

「こっちの方が早いから、みんなこうするんだよ♪」

インディアンは嘘はつかないけれど、言う事とやることは全くバラバラだった。

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あぁ、インド人・・・

やっぱり人が多いよなぁ・・・インド。

毎日どこもかしこもウォーリー君を探せ状態だし、なんだかすぐにでも揉め事が起こりそうなくらい押したり当たったりしてる割には、誰も気にも留めてないっていうのがいいかも(笑)

でもいったいどこからこんなに人が沸いて出てきてるんだろう?

今日はとりあえずデリーの町の市内観光に車をチャーターして向かってみた。

そもそも自分が今、インドのどのあたりにいるのかさっぱり解っていなかったし、もっと言うならどうしてデリーを選んだのかすら謎だった。


あぁ、そうだ・・・ネパールからの出国のチケットがないとネパール行きの飛行機に乗れなかったから、とりあえずネットで一番先に目に付いた場所のチケットを買ったんだった(笑)

実はホテルもインドに来る前日まで何にも予定していなくて、あわててネパールの最終日にこれまたネットで適当に予約してみたから、デリーのどのあたりに位置するどんなホテルなのかさっぱりわからなかった。

タクシーに乗って見るとめちゃくちゃ遠いわ道は込んでるわで、最終的には車が入っていけない場所だからと近所で降ろされてリキシャー(自転車タクシー)に乗っけられた。



そして到着してみるといきなりこんな感じの道を入って行けなんて言われたもんだから、テンションが下がりまくった・・・あんまりにも汚かったら予約を捨てて他のホテルを探そうと覚悟した、しかも到着時は夜で暗かったし・・・

ところがどっこい中に入ってみるといたって快適なホテル(東横インレベル)だし、逆にむしろ味があるくらいでちょうど良かったかも知れない。

エレベーターというよりリフト、なんだか古い映画に出てきそうなタイプでしょ?




もちろんドアは自分で開け閉めする♪

しかも聞いてみるとレッドフォートとかいう有名な建物のすぐ近所らしく、ホテルのスタッフがえらいそれを自慢していたのでまぁ概ね場所も悪いわけでは無さそうだった。

朝になって市内観光に行きたいってフロントに伝えて、車をチャーターしてもらってグルっとデリーに来た観光客お決まりのコースを回ってもらったんだけど、そんなの書かなくてもいいよね?(笑)

でも、クトゥブ・ミナールの入場券を買うのに並んでいたら、やたらとセキュリティーのやつが僕をちらちら見ていて、僕の番になってチケットを買おうとしたら「出身はどこですか?」と聞いてきた。

もちろん「ジャパンだよ」って言うと、

「インド人だと思っていました♪」

「・・・・・・・・・・」

オイオイオイ・・・いくらなんでもそれはないやろ・・・

ちなみに僕は今日、チベットで買ったサングラスにカンボジアで買ったTシャツ日本で買ったGパンを着て、生粋の日本人が外国人用レーンに並んでいるという、どこをどう切り取ってもインド人に見える要素ゼロの状況だ。

っていうかいくらなんでも僕の顔そこまで濃くないでしょ?

こいつの頭がちょっとかわいそうなことに成っているのか、それともとんでもなく節穴な目を持っているのか、やはりそれとも僕の顔に原因があるのか一体どれなんだろう・・・

そんなに僕、日本人に見えませんか?

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お召し上げ

ってな訳で、今はインドのデリーにいる。
エベレストからネパールとの国境の町まで最後の高原ドライブを楽しんだ後は、チベット最後の日と初めての歩いての国境越えが待っていた。
実はその日の夜もいつもの調子でインターネットスペースに立ち寄って、ブログをアップしようと思っていたんだけど、中に入ると迷彩服の人民解放軍の兵士たちが自分たちを解放しまくって、「アイヤー!」とか叫びながら戦争ゲームに夢中だったため、ちょっと怖くなって何もせずに退散してきた(笑)
そういえばチベット人は不思議な人たちだった。
どうやら都合の悪い質問をされると舌打ちをするようだ、しかも強烈に聞こえる音量で・・・
例えばシガツェのホテルで、これまたインターネットスペースでの出来事だけど、
僕「ここで自分のラップトップをインターネットに接続したいんだけど」
女「ちっ!!」
僕「?」
女「ちっ! あーっ・・ ちっ!!」
受付の女の子がそれから舌打ちを連発しまくりながら、パソコンをごそごそ触っている。
どうやらどうしていいかわからないみたいだ・・・
そして何も言わずに部屋から出て行ったので、てっきり誰かを呼びに行ったと思ってそこで5分ほど待っていた。
寒いし頭は痛いしいい加減どうなってるんだろうと思って、フロントを覗いてみるとその女の子が受付のパソコンでソリティアをしてやがった・・・
僕「あのー・・・ これ繋がらないの?」
女「ちっ!!  ちっ!!  ちっ!!!!」
僕「もういいです・・・」
女「おやすみなさい♪」
他にもレストランでミネラルウォーターを注文したときもすごかった(笑)
水を注文したのに舌打ちされまくって、結局出てこなかった。
でも何度聞いても「ない」とは言わない・・・あくまでも舌打ちするだけだった・・・
そしてチベットからネパールに向けて出国する際には、予想外のことが待っていた。

入国する際とは比べ物にならない、徹底的な検閲作業だ。
普通はどの国でも入国審査の方が厳しい、麻薬とか余計なものを持ち込ませないために。
ところがチベットは全くの逆・・・並んでいる一人一人の荷物全てを開けて調べつくす。
僕の番になったときも手帳の中から財布の中、洗濯物の袋まで全て調べられた。
そして長江さんがシンガポールの日本人図書館から借りてきていた、地球の歩き方チベット95年版を召し上げられた(笑)
そんなどこでも売っているような、しかも15年も前の本取り上げてどうすんねん!と思わず突っ込みそうになった。
しかもその僕たちの後ろをネパール人の行商人たちは大きな荷物を抱えて素通り状態・・・
あなたたち僕の理解できる範疇を完全に逸脱しています
そしてこの橋を歩いてわたってネパールに入る。
真ん中に両国の兵隊さんが立っていて、写真を撮ろうとしたら怒られた。

この橋一本、右と左で時差2時間と15分(笑)

しかし中国という国は一体チベットの何をそんなに恐れているんだろう?
きっと僕にはわからない何かがいっぱいあるんだろうけど、一つ言えるのはチベットが色々な意味で普通の場所でないことだけは確かだ。
山も景色も本当に素晴らしかったけど、なぜかずっと僕は足を踏み入れてはいけない場所に来てしまったという気分になっていた。
ニューカレドニアが天国に一番近い島なら、チベットは天国(死後の世界)に一番近い場所かもしれない。
強烈な香の香りと呪文のような読経の声、嘘みたいな景色と薄い空気、青すぎる空と強すぎる太陽光線・・・白昼夢でも見ていたような気持ちにすらなる。
なんだかドタバタしすぎて嵐のような10日間だったけど、ネパールも最終日なのでお世話になったみどり先生と教え子のモハンと食事に出かけた。

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