ってな訳で、今はインドのデリーにいる。
エベレストからネパールとの国境の町まで最後の高原ドライブを楽しんだ後は、チベット最後の日と初めての歩いての国境越えが待っていた。
実はその日の夜もいつもの調子でインターネットスペースに立ち寄って、ブログをアップしようと思っていたんだけど、中に入ると迷彩服の人民解放軍の兵士たちが自分たちを解放しまくって、「アイヤー!」とか叫びながら戦争ゲームに夢中だったため、ちょっと怖くなって何もせずに退散してきた(笑)
そういえばチベット人は不思議な人たちだった。
どうやら都合の悪い質問をされると舌打ちをするようだ、しかも強烈に聞こえる音量で・・・
例えばシガツェのホテルで、これまたインターネットスペースでの出来事だけど、
僕「ここで自分のラップトップをインターネットに接続したいんだけど」
女「ちっ!!」
僕「?」
女「ちっ! あーっ・・ ちっ!!」
受付の女の子がそれから舌打ちを連発しまくりながら、パソコンをごそごそ触っている。
どうやらどうしていいかわからないみたいだ・・・
そして何も言わずに部屋から出て行ったので、てっきり誰かを呼びに行ったと思ってそこで5分ほど待っていた。
寒いし頭は痛いしいい加減どうなってるんだろうと思って、フロントを覗いてみるとその女の子が受付のパソコンでソリティアをしてやがった・・・
僕「あのー・・・ これ繋がらないの?」
女「ちっ!! ちっ!! ちっ!!!!」
僕「もういいです・・・」
女「おやすみなさい♪」
他にもレストランでミネラルウォーターを注文したときもすごかった(笑)
水を注文したのに舌打ちされまくって、結局出てこなかった。
でも何度聞いても「ない」とは言わない・・・あくまでも舌打ちするだけだった・・・
そしてチベットからネパールに向けて出国する際には、予想外のことが待っていた。
入国する際とは比べ物にならない、徹底的な検閲作業だ。
普通はどの国でも入国審査の方が厳しい、麻薬とか余計なものを持ち込ませないために。
ところがチベットは全くの逆・・・並んでいる一人一人の荷物全てを開けて調べつくす。
僕の番になったときも手帳の中から財布の中、洗濯物の袋まで全て調べられた。
そして長江さんがシンガポールの日本人図書館から借りてきていた、地球の歩き方チベット95年版を召し上げられた(笑)
そんなどこでも売っているような、しかも15年も前の本取り上げてどうすんねん!と思わず突っ込みそうになった。
しかもその僕たちの後ろをネパール人の行商人たちは大きな荷物を抱えて素通り状態・・・
あなたたち僕の理解できる範疇を完全に逸脱しています
そしてこの橋を歩いてわたってネパールに入る。
真ん中に両国の兵隊さんが立っていて、写真を撮ろうとしたら怒られた。
この橋一本、右と左で時差2時間と15分(笑)
しかし中国という国は一体チベットの何をそんなに恐れているんだろう?
きっと僕にはわからない何かがいっぱいあるんだろうけど、一つ言えるのはチベットが色々な意味で普通の場所でないことだけは確かだ。
山も景色も本当に素晴らしかったけど、なぜかずっと僕は足を踏み入れてはいけない場所に来てしまったという気分になっていた。
ニューカレドニアが天国に一番近い島なら、チベットは天国(死後の世界)に一番近い場所かもしれない。
強烈な香の香りと呪文のような読経の声、嘘みたいな景色と薄い空気、青すぎる空と強すぎる太陽光線・・・白昼夢でも見ていたような気持ちにすらなる。
なんだかドタバタしすぎて嵐のような10日間だったけど、ネパールも最終日なのでお世話になったみどり先生と教え子のモハンと食事に出かけた。