ディズニーリゾート10個分(笑)

という訳で、現在ベトナムのホーチミンに来ています。何か用があったわけでも何でも無いのだが、たまたま昨日カンボジアのコンポンチャムという州の外れまで来ていた時に、ベトナム国境まで2キロしか無いってことだったし、そこから3時間もあればホーチミンまで到着するということだったので、久しぶりに都会を見たくてやって来た(笑) 今回のお供はコンポンチャムに通訳を兼ねて突き立ってくれたダラ君。ASEAN諸国の中でもカンボジア人はベトナム・シンガポール・マレーシア・ラオスインドネシアはビザ無しで自由に行き来出来る。初ベトナム上陸のダラの感想は「うちの国のやつと同じで、そこら中にゴミを捨てやがる・・・人としてはあんまり変わらんな」ということと「スゴい建物がたくさん立っている割に、貧しい人がものすごく多いな」という事だった。

実はダラ、ものすごくいいところに気がついている。いわゆる本当の貧困層は、国が豊かになっても全くと言っていいくらい恩恵を受けることはない。情報・教育・資金が無いために貧困から抜け出すチャンスすら無いというのが現状だ。なのにも関わらず都会に行けば仕事があって豊かになれるという幻想を抱いて、どんどんと田舎から若い人達が出てくるから余計に都市型貧困層が増えて来る。この連鎖を止めるには以前のエントリ『格差の架け橋』にも書いたように、情報・教育・資金をいかにして貧困層に行き渡らせるかということに尽きるだろう。

で、その貧困層に情報・教育・資金を提供するプロジェクトの一つとして、現在シェムリアップ郊外の山間部に住む土地を持たない農民のために、道路を整備したり、国から土地を無償で借り受けて農業を行わせたり、学校や孤児院・ヘルスセンターを造るという計画を進めている。現在は橋もこんな感じの手作り感丸出しで、全く信用出来ない(笑)

今回はそのプロジェクトの農地で何を生産するかということを視察するために、コンポンチャムまで足を伸ばしたというわけだ。ちなみに今回のプロジェクトの農地面積は合計で1000ヘクタールあるそうな。1000ヘクタールというとディズニーリゾート10個分、もしくは台東区全部と同じくらいの大きさだ・・・

根っからの日本人でさらに都会育ちの僕には、1000坪とか言われただけでも途方もなくでかいのに、あの山の裾まで全部ですとか言われても、なんだかうまく想像がつかない(笑)

そんなに大きな農地で作物を生産しても、引き取り手がなければ大変な目に合うことくらいは僕にだって容易に想像ができるので、それらの作物を買い取って加工している工場を訪ねた。僕が小学生の頃『働くおじさん』という教育番組があったんだけれどそれを思い出した♪ この歳になってから社会見学をこんなにたくさんすることになるとは(笑)

バスと乗合タクシーを乗り継いで熱帯雨林のジャングルが綺麗なこのあたりに来てみると、心なしかすごく豊かに暮らしている人が多いように感じた。色々と聞いてみるとゴムの木を栽培している土地持ちがたくさんいるので、生活に困っている人が少ない地域だそうだ。 といってもマーケットなどは西部劇に出てきそうな雰囲気だ♪

で、色々と説明してもらった後、我々の計画を話しながら「農地が1000ヘクタールあるんだけれど、そこで採れた作物を買い取ることは可能ですか?」と聞いてみたら、軽く鼻で笑われた・・・ 「うちは自社でも2万ヘクタールの農地を確保して栽培しているけれど、全く需要が追いつかないのでカンボジア全土から、さらにはベトナムからも国境を越えて購入しています。1000ヘクタールから収穫できるような量ならいつでも買い取りますよ♪」

超強気だ(笑) 明日はプノンペンでいくつかの確認作業と調査をして、その後シェムリアップに戻ってさらに詳しく調べてみるけれど、今回のプロジェクト、案外と面白いことになるかも知れない♪ 

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風景の中

サパへのツアーに関して言えば、あのしつこい売り子の攻撃さえなければかなり来て良かったと思える内容だった。

しかもやはり現地の村に泊まるという選択をしたのが正解だった♪

サパのホテルがある周辺は開発が進んでしまっていて、はっきり言って情緒も何も無い・・・




もしかしてこれがはじめての秘境方面への旅だったら、民族衣装を着た人たちがうろついていて独特な市場があってという環境だから、かなり良い感じに思えたかもしれないけれど、もはやそんなことでは異国情緒すら感じられなくなってしまった(笑)

どちらかと言うと開発が進んでいる割にはネット環境がたいしたこと無い、とか夜が早いとかいう事に文句を言ってしまいそうになる始末だ・・・

ところが一歩そこから離れると全く状況は一変し、僕が本で見たような風景が展開されている♪

その風景の中にどんどん入っていくに従って、山の急斜面に沿うように作られた棚田が広がり、小道が続きという景色が続く・・・


この周辺に暮らす民族はベトナム民族を含めて6種類になるそうだけれど、どうやらその中でもモン族(華紋)が一番貧しいのかもしれない。

というのも彼らが一番売込みが強烈で、どこまでも食い下がってくるからだ・・・
逆に僕たちが泊まった村に暮らすザオ族は全く売り込みもなく、数件の店を村の中に構えていたり、また村ぐるみでホームステイプログラムの増進に取り組んでいたりと結構リッチなようだ。


実際にハンドクラフトの高そうなみやげ物店に入って行っても売り込みどころか、全くこちらを気にする様子すらない。



もちろん写真を撮ったからいって金を請求されることも無い(笑)

そんな村の中の小道をウロウロしたり川でくつろいだりしていると、子供の頃生駒山の辺りで遊んでいた頃を思い出して、初めての風景なのに懐かしさを覚えた。

朝起きてからも約10キロの道のりをずっと山の中を登ったり下ったり・・・一体今年になっていくつの山を登り下りしてるんだろう?(笑)



一つの山を登り終えるたびに目の前に新しい景色が広がるのはちょっと感動ものだった♪


途中で出会ったモン族の子供たちにカメラを向けると・・・

「マネー!!」

いやぁ、期待通りのお言葉恐れ入ります・・・(笑)

小さい頃はこんなに無垢な感じなのに、もう少しすればこの子たちも「マネー!マネー!」と言いまくるようになるんだろうか??



とりあえず今回のところは撮影無料のようでホッとした♪(笑)

そこからも色々な絶景ポイントがあったんだけれど、僕が以前本で見たような景色にはとうとう出会うことが出来ず、また何よりも残念だったのは電線の鉄塔がどうしても目に付いてしまうことだった。


写真を撮るときはもったいないので極力鉄塔が入り込まないようにして撮るようにしたんだけど、こうやって開発が進んで便利になる一方で失われていくものも確実にあることを再認識する機会にもなった・・・

そしてトレッキングも最終地点に到着し、そこからは車に乗ってホテルの場所まで引き返すことになった。

そしてその車での帰り道、今まで自分たちが歩いてきた場所を外から眺めたときにそれはあった・・・

僕がずっと見たいと思っていた風景・・・

僕はさっきまでその美しい風景の中にいたっていうことに気がついた。

外から見ないと見えないものがある、もしくは外から見たほうが素晴らしく見えることがある・・・なんだか人生みたいだなぁって思った。

あぁ、女性もそうなのか!?(笑)

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ユダヤ教とイスラエル

今回一緒にトレッキングに行ったメンバーのうち、村に宿泊するプログラムに参加していたのは僕たちの他にもう一組だけだった。

えらいマッチョな男前とエキゾチックな香り漂うベッピンの組み合わせに、どこの国の出身だろうと思っていたらイスラエル人だった。

この二人イスラエル人であるとともに敬虔なジューイッシュ(ユダヤ教徒)でもあり、日ごろからニュースなどでしかあまり知らなかったイスラエルの実情や、ちょっとオドロオドロシイイメージのあるユダヤ教の話を色々聞くことが出来て、結構面白かったからここでちょっと紹介してみようと思う。

まず世間で一番勘違いされているユダヤ人の定義についてだけれど、実はユダヤ人であるためには国籍や人種は一切関係が無い。

ユダヤ教徒(ジューイッシュ)であることのみを持ってユダヤ人という。

しかも生まれながらのユダヤ人であるためには母親がユダヤ教徒でなければならないから、例えばイスラエルに生まれ育って父親がユダヤ教徒であったとしても、母親がクリスチャンならその人はユダヤ人ではないということになる。

ちなみにユダヤ教は世界で一番信徒になるのが難しい宗教だ。

日本の新興宗教のように勧誘してくれるなんてことは無く、入信したいと言ってからひたすら勉強をさせられ、短くとも10年近くは信徒になるまで時間がかかるそうだ

それも信徒になれたとして、だ・・・以前全然違う人から聞いた話によると司法試験よりもよっぽど難しいらしい。

そもそもユダヤ教の本質自体が学ぶことにあるようで、常に彼らのバイブル(旧約聖書)の本質を解き明かすべく学びつづける姿勢があるからこそ、今日彼らユダヤ人が世界中で強大な力を持つにいたったんだろうと思う。

特にユダヤ人の中でも名家に挙げられる、いわゆる12使途の末裔とされる名字を持つ人の一つがリーバイ家・・・そうリーバイスの創業者だ。

他にも世界的に有名な人を挙げだしたら枚挙に暇が無いくらいたくさんいるのもうなずける話だ。

イスラエルの教育方針もそんなユダヤの教義に基づいていて、義務教育は小学校の6年間とハイスクールの6年間の計12年。

その後は徴兵義務があり男は3年間、女は2年間従軍する必要があるんだけど、今も実際に周囲の国と血みどろの戦争をしている国だから日本の自衛隊に行くのとは訳が違う・・・

常に今、この瞬間に自分が相手を殺して良いのかという問いに答え続けなければならない青春時代を生き抜くことになる。


その後は基本的に1年間くらいの予定で世界を旅するのが慣わしだそうだ。

そして戦争経験を積み世界を旅し、人生についてあらゆることを考える機会を得てからやっと大学に入学する機会に恵まれるっていうんだから、これじゃぁ日本の大学生とはモチベーションが違いすぎて勝てるわけ無いなとか思ってしまった(笑)

以前にも書いたことがあるけれど、海外で政治と宗教の話がタブーだっていうのはかなり間違った考えで、逆にそういった話をせずにどうやって相手を深く知ることが出来るというのかって言いたい。

もし自分が話しをしている相手が自分と違う宗教だからといって、突然こちらをポアしようとするようなやつなら、その時点を持って関わらないほうが賢明だ(笑)

今回の僕たちの会話の中にはパレスチナ問題やアラブ諸国との戦争の問題にも触れて、彼らなりの言い分や意見もたくさん聞いたけど、僕は基本的に戦争に関してどちらの肩を持つ気も無いから、ここでその話題に触れるのはやめておこうと思う。

ちなみにいうと僕は戦争に決して賛成はしないけれど、反対もしないというスタンスを持っている。

というのも人が争うのはある意味自然の摂理だから、僕はその後始末が出来る人間になりたいと思っている。

話は変わってこの彼氏の方、エレズはただのマッチョではなかった。



彼は軍経験を積んだ後、対テロ特殊部隊で働いていて、数々のテロ掃討作戦に従事していたから目の前で相手に爆死されたりしたこともあるそうだ・・・

その後要人警護の任務についてシャロン首相などのSPをしていたそうだけど、これも鳩山首相を警護するのとはちょっと事情が違ってかなり危ない目にあいそうな気がする(笑)

彼女のナマはつい最近まで軍に従事していたらしく年齢は21歳ってことだったけど、英語でしっかりと自分の国の実情や考え方、宗教について語れる(僕なんかよりよっぽど英語が上手い)んだから恐れ入った。

二人に共通していえるのはとても強い正義感を持っていると同時に、自分の正義感を信じて疑わないっていうことだ・・・

全ての彼らの行動は常に聖書に従って行動しなければならない。

逆説的な言い方をすれば、聖書に従った行動をしている限りあらゆることが正義の行動ということになる・・・

ここが一番宗教の危険な点であり、数千年にわたる宗教戦争が終わらない理由の一つでもあるだろう。

世の中に事実は一つしか存在しないかも知れないけれど、真実は人の数だけ存在する・・・

宗教の洗脳というバイアスが、生まれながらにしてかかってしまっている彼らがそのことに気がつく日が来るんだろうか・・・?

残念ながら今の僕にはそのことを伝えるだけの力は無い。

それだけを除けばイスラエルという国は人類の歴史の生き証人とも言える場所がたくさん残されているし、何より現地ローカルの友人が存在するのは訪れるのには最高の環境だ♪

それに僕はこの二人がとっても気に入ったしイスラエルにもぜひ一度は訪れたいと思っていたから、来年にでも二人を訪ねて遊びに行こうと思っている・・・そしてそこでもっと世界の真実を見て来たいと思っている。

最後にもっとも印象に残ったことは、イスラエル人は負けても良いけど絶対にギブアップしてはいけないそうだ・・・

それを21歳の女の子が真剣な目つきでとうとうと語る姿を見ていると、いやはや何ていうか根本的に我々とは違うなぁって思って、ある意味サパの少数民族と触れ合っているよりよっぽど異文化交流になったような気がした(笑)

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