土着菌農法

ここ数日間、なにかと朝から夜中までバタバタしてしまって、ついついブログを書きそびれてしまっていた・・・サクサクっとブログを書いて一丁上がり!っていう感じでいければいいんだけれど、僕は文章を書くのがそんなに早くないのでどうしても時間がかかってしまう。
先日の木曜日は朝からバンテイアイ・ミンチェイというタイとの国境に近い街にある、州立ミンチェイ大学に出かけていた。
(以前に大学を訪ねた時の様子)
・大馬鹿野郎の大学見学
http://hugs-int.com/kengo/archives/1013
ここではカンボジアの愛センターを運営している藍さんが日本語教師として働いているんだけれど、僕はその藍さんの働く大学の学長をはじめとする人々のコネで、世界遺産であるアンコールワットをイベントに使用させてもらえないか、という計画に現在力を貸してもらっている。
で、今回はその話で大学を訪れていたんだけれど、その際に藍さんから「日本のNGOの方で有機農法を手がけている方が来られているので紹介します」と言われ、吉井さんと瀬角さんという2人の日本人を紹介された。
僕が孤児院の自立ビジネスで、有機農法に興味を持っているのを藍さんが覚えていてくれて、そのことをお二人に伝えてくれたところ、多忙なスケジュールの中にも関わらず急遽うちの孤児院にも来て指導をしていただけることになった。
下記の写真の方が吉井さん。
ご本人の話を聞いていると、「この人の作ったモノを食べたい!」と思わせてくれる。農業に対する真摯な姿勢と、それをどうにかして人々の役に立てたい、という思いがヒシヒシと伝わってくる。


そして瀬角さん。

この2人と現地で彼らと共に行動しているカンボジア人スタッフでの指導と相成った訳だけれど、農業のことなど何一つ分からない僕に取っては非常に新鮮な世界であったとともに、この村や孤児院にはいくらでも利益を出すことの出来るリソースがまだまだ眠っていることに気付かされることにもなった。
吉井さんが手がけているのは土着菌農法というものらしく、まずはこの土着菌を作ることからはじめなければならない。そのためには米ぬかが必要なんだけれど、玄米のまま米を買ってここで精米している孤児院に取っては、米ぬかなんかそれこそ捨てるほど余っている・・・(買うと結構するそうだ)

この米ぬかに、
(いつも食事を作るので、これまた捨てるほどある)、
貝殻
(小さい貝が子どもたちの好物の一つなので、貝殻はあちこちに捨ててある)、
砂糖(うちの場合はパームシュガー、自家製だ)、
(井戸水の方が色々な菌がいるので良いそうだ。もちろんここの水は井戸水)、
そしてすでに土着菌が多く含まれていそうな土(ジャングルの中だから探すまでも無い)を混ぜ合わせる。

基本的に小さい子供たちが喜んでやるような作業なので、労働力にも事欠かない(笑)

後はこれをズタ袋に詰めて温度が上がるのを待ち、その上がった温度が落ち着けば土着菌の出来上がりだそうだ。そしてこの出来上がった土着菌を使って堆肥を作る。

今回は土着菌がまだ出来上がっていないので、デモのような堆肥の作り方の説明になってしまったけれど、土の状態が良いから多分これでも堆肥が出来上がるだろうと吉井さんは言っていた。
ちなみに堆肥の元になる豚や牛のフンもいくらでもあるので、有機農法をするにはこれ以上無いような環境だそうだ。僕や孤児院のスタッフから見ればなんの役にも立たないようなものが、ちょっと見方を変えれば宝の山に見える。僕が以前書いたごみ山の話でも、きっとこんな感じでの解決策があるはずだと改めて思った。
・ゴミ山
http://hugs-int.com/kengo/archives/1053
さらに吉井さんが「1日だけでは伝えきれないクオリティーや技術を是非とも吸収してもらいたので、いつでも研修生の受け入れをさせてもらう」とおっしゃっていたので、さっそく孤児院のスタッフと話をして近いうちに誰か一人を日本に送り込む予定だ。
吉井さん、瀬角さん、そしてカンボジア人のスタッフの方々、この度は本当にありがとうございました。
また、来年お会いできる日を楽しみにしています!


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金利の使い道

カンボジアで通常何かのビジネスを始めようとして銀行からお金を借りる場合、金利は年利で36%(月3%)だ。しかも担保が必要になる・・・これが日本ならもれなく逮捕してもらえる金利だ(笑)
そしてマイクロクレジットもこれにならう形で金利が年利36%、ただし担保を請求しない代わりに超小口貸付に対応する、という方式で行っている。僕がマイクロクレジットを始めるという計画を話したときに、多くの人が『金利を大きく下げるべきだ』とか、『極端な話金利をとらずにやるべきだ』というような意見を言ってきた。
それに対する僕の考えを今から書かせて欲しいと思う・・・
まず『金利36%が高いのか?』という問題に対してだけれど、これは日本の常識を当てはめた場合非常に高く感じてしまうが、視点を変えると実はそうでもないということが言えると思う。
例えばマイクロクレジットを利用する対象になる人々は、現在の収入が月収で100ドルに満たないような人たちだ。よくある経済的な話では、このような人たちには信用リスクが高いので金利が高くて当然だということになる。ところが彼らの返済率から見ても分かる通り、きちんと指導することができれば信用リスクは我々先進諸国に住む人々より遥かに低いことがわかる。
ではなぜそれでも金利が日本を初めとする先進諸国より高いのだろうか?

マイクロクレジット業者は、借主がマイクロクレジットを利用することで、彼らの収入が2倍にも3倍にも(月額200ドルから300ドル)なる事を目標に貸し付ける。すでに高収入を得ている日本人のような人々を対象とする場合、その貸付によって収入を2倍、3倍にすることなんて不可能に等しい・・・
通常我々は借主一人当たり300ドル程度の貸付を行う訳だけれど、その3%である9ドルを1ヶ月かけても稼ぎ出すことが出来ないようなビジネスなら、そもそも彼らにそのビジネスをさせるべきではないだろう。なぜならば、あらゆる人の時間はマネーより希少で大切だから、彼らの時間を月額たったの数ドルのために費やされるわけにはいかないからだ。少なくともビジネスのノウハウを知る我々がコンサルティングをするわけだし、この借入資金を使って月額100ドル以上を新たに稼ぎだしてもらいたい。そうなれば月額9ドルは決して高いと言えるコストではないと思われる。
さらに大切なことは、人々から受け取った金利の使い道だ。
元々このマイクロクレジットビジネスに興味を持ったのも、どうすれば孤児院やフリースクールなどを自立させることが出来るのか、という命題から導きだされた答えの一つなので、基本的に人々が支払った金利でこのような教育機関を運営していく。借り入れによって新たに得た富の一部を、地域に住む子どもたちの将来のために分配してもらう。

カンボジアの場合10村程度の村が集まって、ひとつのコミニューンという行政単位を形成している。そのコミニューン内の人々は概ねお互いのことをよく知っていて、うちの孤児院などもそのコミニューン内に住む貧困家庭(殆どがそうなんだけれど・・・)の子どもたちが通ってきている。このように地域の子供達が通っている教育施設を、貸付の窓口として活用し、子どもたちだけなく地域の大人にもビジネスや金銭に対する情報を発信したり、教育を与えたりする場所にする。そして人々の支払う金利は、自分たちの地域の教育機関(借り入れ窓口)の運営費用に当てられる。
当初は今、僕の支援している孤児院とそのコミニューンで貸付を開始するんだけれど、その後は別のコミニューンでも同じことを同時多発的に進めたいと思っている。その時に必要になるのが、すでにマイクロクレジットのノウハウを持っていて、信用に足るスタッフたちだ。ここに孤児院を卒業する子どもたちの雇用を少しでも増やすチャンスがある。金利の第2の使い道だ。
先日も書いた通り、孤児院やフリースクールの運営はほとんどの人が見よう見まねでやっている。そこに各国からのボランティアの先生などが入ってきたりしているが、教育カリキュラムとしてはかなり微妙なものといわざるを得ないのが現状だ。そこにマイクロクレジットの新たな窓口になる教育機関に出向いたスタッフ(孤児や元学生たち)を通して、しっかりとした教育カリキュラムを提供することが出来るようになる。
うちの孤児院の場合10カ国以上のボランティアが携わっているんだけれど、中には僕の一番親しいスイス人夫婦のように、マーケティング理論を大学で教えているような専門の教育者もいるし、このブログを通して知り合った人々にも、とてつもなく優秀な方々がいるので、いろいろと知恵をお借りすることができれば素晴らしい教育カリキュラムを作っていくことが出来るんじゃないかと思っている。
理想はアジアの僻地の農村でも、日本の最先端の教育が受けられるシステムを作ることなんだけれど、これはかなり話題がずれてしまっているので、また別の機会に・・・(笑)
ちなみに言うと、僕はこのマイクロクレジット事業で1円の利益も収入も取らない。借主から得た金利は、全て上に書いたように教育機関の自立運営資金と、新たな雇用を生むことに直接使用される。
この理由に付いて次回は書いてみたいと思います♪


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マイクロクレジット

現在世の中で巻起こっている諸問題は、様々な要因が複雑に絡み合っているわけだけれど、その中でもとりわけ経済的貧困によって起きている問題を解決に導いていきたいというのが、僕の活動の一番根幹を成す部分だ。とりわけ最終的に世の中のあらゆる問題を解決することが出来るのは教育しかないと思っているので、経済的貧困を解消することで教育に関わる様々な問題解決に力を入れていきたいと考えている。

例えば先日の『活動スタンス』 でも書いたように、先生が足りないという問題でもそうだけれど、最低限の経済活動が成りたっていないと、勉強をする機会すら与えられない・・・
(参照)
・活動スタンス
http://hugs-int.com/kengo/archives/1102

うちの孤児院でボランティアの先生をしてくれているカンボジア人の若い男性は、子供の頃貧しくてテスト用紙を先生から購入出来なかったから、いつも落第だったと言っている。これはどういう事かと言うと、先生もあまりにも貧しいからテスト用紙を子供に売りつけていて(一枚20円とかそれくらい・・・)、それすら買えない子供はテストすら受けることが出来なかったっていう身も蓋も無い話。

僕はここでこの先生を責めることにあまり意味はないと思ってる。先生本人も生きていくことに必死だったんだろうし、それを責めて先生を辞めさせたところで何ら根本的解決にはならない。 そしてなによりそれらは今も続いている問題であって、このような部分を根本的に解決していかない限り、生きるために自分より弱い立場の人間を食い物にするという連鎖に歯止めがかからない。

このような経済的貧困から脱却するのは、国連のGlobal Compact 代表のGeorg Kell氏も提唱する『ビジネスソリューションは貧困から抜け出す唯一の現実的な方法である』という言葉に集約されていると思う。そしてこのビジネスを行うためのスキルも資金も持たない人々が真の貧困者であり、そのような人々にビジネスをするチャンスを与えることで注目を浴び成功しているのが、ムハンマド・ユヌス率いるグラミン銀行の行った『マイクロクレジット』だ。

通常の経済の世界の常識では、貧しい人に金を貸しても返って来ないということになっている。だから銀行は資産も何も持たない人々に融資をすることはなかった。

まさに『雨の日に傘を貸さない』ですよね(笑)

しかし現実に蓋を開けてみたところ、貧しい人々にのみ貸付を行ってきたグラミン銀行の返済率は、なんと98%にものぼる高い返済率を誇り、ついにはノーベル平和賞をもらうまでになっている。それを見た多くの国のNGOの人々も次々とマイクロクレジットを開始し、現在はひとつの支援の形として認知され、多くの人々にビジネスを始めるチャンスを与え貧困からの脱却の機会を提供している。

僕はこのマイクロクレジットを利用して、学校や孤児院などの教育機関の自立を支援し、さらには日本人の将来に対する不安を少しでも解消し、誰にでも出来る国際貢献の道を構築する、というアイデアを実行するためにカンボジアに来た。

明日からは、その具体的な方法などについて書いていく予定です。

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