カンボジア人@バンコク

タイとカンボジアの国境にある世界遺産、プレアヴィヒア寺院の近辺の国境線を巡って両国が軍事衝突し、双方に死者が出るというちょっとした騒ぎになっている。
別にカンボジアに住んでいるからという理由で贔屓目に見るわけではないけれど、今回の紛争は完全にタイの内政の混乱のトバッチリを受けているようなものだと思ってる。そもそもここの国境線の確定がどうこうというような学術的・歴史的な考察は横に置いておいたとしても、別に今のこのタイミングでカンボジアが事を荒立ててタイと紛争を起こしてもなんのメリットもないからだ。

タイ国内の政治は去年から(というか前首相のタクシンがクーデターで追い落とされてから)ずっと混乱している。はタクシン前首相派の赤シャツ部隊が大暴れして日本人記者が一人巻き込まれて亡くなったことは記憶に新しい。
(参照記事)
とんでもないこと Part2
http://hugs-int.com/kengo/archives/1124
っていうか、あれからもう一年近くが経ってるんだね。。。月日が経つのは本当に早いなしかし。

と、まぁそれはともかく、今度は黄シャツ部隊(PAD)というタイの右翼が暴れてる。タクシンが首相をしていた時にバンコク空港を占拠したかなり過激な団体で、今のタイの外相はここの元幹部だそうだ。どうも今のアピシットっていう首相の弱腰外交が気に食わないとか、そんなような状態らしくて赤と黄色と現政権がくんずほぐれつの主導権争いをしている。

タイの今の王様っていうのが国民の精神的支柱としてすごい人気で、今までの国内の争いごとは最終的に王様の鶴の一声で治まってきてたのが、寄せる年波に勝てないのかどうかは知らないけれど、とんと動静が聞こえてこないもんだから何時までも国内情勢がこじれてしまったままの挙句、PADが軍部を炊きつけて『カンボジアに不当に奪われた領土を奪還せよ』ってな事を言ってドンパチやってる。

と言ったところでバンコクの私立大学生にアンケートを採ってみたら、案の定今回の件は『どうもカンボジアが悪いわけじゃ無さそうだな』と思ってるみたいだ。
(参照記事)
【 タイ・カンボジア紛争 バンコク都民は「交渉」支持、自国政府批判】
http://www.newsclip.be/news/2011209_029941.html

カンボジア側もみんなプレアヴィヒアの国境で争いになっているのは知っているけれど、シエムリアプを始めその他の地域の人々は極々平常通りの日々を過ごしている。そんなわけで前回パスポートを紛失してバンコクに行けなかったフィフォンも新たに発行してもらい、今回ダラと一緒にバンコクに同行することになった。

ちなみにフィフォンのパスポート再発行手数料は、1週間のスピード発行で220ドル。そんなに払うのが嫌なら135ドルでいいから2ヶ月待てと言われたので、苦渋の決断の末220ドルを支払うことにしたみたいだ。もちろんやつがそんな大金持ってるわけ無いし、HUGSの今後の展開を考えてもパスポートを取得しておいてもらう必要もあるから、今回は特別大出血サービス、『無利息』で200ドルを貸してやった(笑)

バンコクに行く時に通る国境は、ポイペト(カンボジア)-アランヤプラテート(タイ)間の国境。互いに武力衝突してるってのに、ここも全く平常時のまま。特になんらの警戒もしていなければ対策も取られていない。 もし仮に日本が、中国や北朝鮮と国境で武力衝突をすることになっても、こんなふうに『それはそれ、これはこれ』といった感じで和気藹々と行き来することが出来るのだろうか?

多分無理だろーなー。

ってな訳で難なく無事にバンコクに到着。やっぱり奴らに高層ビルは似合わない(笑)

向こうではずっと二人にカメラを持たせていたので、もっといい写真を撮るかと思っていたんだけれどあんまりロクなのが無かった。はっきり言ってうちの子供達のほうがよっぽどセンスのある写真を撮る。やっぱ汚れた心を持つ大人はダメだね(笑)

いつもプノンペンでお世話になってる『スリッパ屋さん』こと兄貴氏がバンコクに居たので合流して、行きつけの美味しい焼肉屋を紹介してもらった。

ここの丸腸、旨かった。大阪人としてやはりホルモンには結構うるさい僕だけれど、ここの丸腸の脂の甘味は日本でいつも食べているホルモンに負けず劣らずの絶品だった。カンボジア連中はどうにもこうにも脂っこ過ぎて、食べるのに四苦八苦していたけれど・・・

そして久々にリゾート気分も味わってみました♪

この向こうに見えるのが、一昨年のクリスマスの時に泊まったステートタワーホテル。値段と内容から考えて、バンコクで一番おすすめできるかっこいいホテルです。
(参照記事)
メリークリスマスfromバンコク
http://hugs-int.com/kengo/archives/1030

しかしやっぱりバンコクはいいね~。ショッピングからナイトライフ、かっこいいリゾートに美味しい食事、たくさんのゴルフコース、そして多数の在住邦人を抱えるお陰で日本の製品がほぼどんなものでも手に入る。しかも安いときたもんだ。
東京とそんなに遜色のない大都会だし。

それがシエムリアプからバンコクまでタクシーをチャーターしても片道90ドルで来ることが出来るんだから、はっきり言って日本まで帰らなければいけない理由がサッパリと見当たらない。
あぁ、強いて言うなら温泉巡りとかなら帰ってもいいかな。誰か僕を招待してみない??

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上海弾丸日帰りツアー

ものすごいヤボ用で上海に行ってきました。 前回日本に帰国する際に上海のトランジットタイムを利用して用事を完了させていたはずだったのに、後日連絡があってもう一度来てくれという事を言われた・・・
(参照記事)
無理やりトランジット
http://hugs-int.com/kengo/archives/1173

12月中に行かなければ前回の手続きが無効になって、また2回上海に行くか1週間以上滞在するかという選択肢を迫られたため、やむなく月内に上海に行くことにしたのだけれど、今月の予定を考えてみると7日に出発して9日にカンボジアに帰ってくるというスケジュールしか取れそうにない。 さっそく航空券の手配をしてみると、これまたタイムスケジュールがかなり過酷だった。

シェムリアップ⇒プノンペン バスで6時間 7日15時出発
プノンペン⇒上海 飛行機で3時間半 7日23時50分発
上海到着 8日午前4時半・・・
上海⇒プノンペン 8日19時50分
プノンペン着 8日23時

上海滞在時間15時間の強行スケジュールとなってしまった。 実はこれ、9日からジローがこちらに来るってことだったので、その予定に合わせたはずだったのだか、よくよく聞いてみると彼のスケジュールは9日の夜中羽田発でマレーシアのKLに1泊してから来るとのことで、実際のところは11日到着だった。

それを聞いてから航空券の日程を変更しようとしたが後の祭り・・・ まぁ仕方ない(笑)

さて、今年3度目の中国はやっぱり中国だった。

飛行機の中では日本人だというだけで全員から白い目で見られ、ひそひそ話で悪口を言われ、入国管理では「何しに来たんだ?」と根掘り葉掘り聞かれ、挙句の果てに床につばを吐かれた。

街に出るとそこらじゅうに「鬼畜日本許すまじ」とか「欲しがりません勝つまでは」と書いた旗が掲げられ、竹槍を持った中国人が日本人を突き殺す練習をしている。

街中の日本関連の商店の売り場の窓という窓は全て割られており、至る所で日本の国旗が燃やされていた・・・

なんて言うようなことは全くない(笑)

飛行機では僕を中国人と間違えて中国語で話しかけないように『J』という印を航空券に付けて対応してくれていたし、入国管理の職員は朝の4時過ぎにも関わらず笑顔で親切な対応だ。前回日本にカンボジアの子供たちを連れて行ったときの、入国管理の職員の嫌そうで不親切な対応とはエライ違いだ。待ち合わせまで時間があったので、休憩がてらに入って空港施設内のマッサージのおやじのテクニックも相当なものだった。

その後待ち合わせ場所のマクドナルドでテーブルの上に電話を置いてウツラウツラしていると、店員が僕を起こして「電話をこんなところに置いていると危ないから、ちゃんとポケットにしまってください」と注意してくれる。その後、頼まれものをしていたので上海のユニクロに行ったのだけれど、そこの店員も僕が英語しかわからないと知ると、すぐに英語対応の係員を探して連れてきてくれた。
Shanghai 1208 004

絶対に日本に来ている中国人に対する日本人の態度より、中国を訪れている日本人に対する中国人の対応のほうがいいんじゃないかと思う。

確かに日本(アンコールワットでも)に来る中国人は大勢で行動し、やかましくて鬱陶しいと感じる時があるのは充分に理解出来る。 でもそんなもんバブルの頃の吉幾三みたいな人が大量にいるんだから仕方無いじゃないか。 自分たち日本人が20年ほど前にやっていたことを、今の彼らがやっているだけなんだから、もっと暖かい気持ちで接した方がお互いに楽しいのになんて思っている。

そんな感じで南京東路でモロモロの買い物を済ませた。
Shanghai 1208 008

こういう往年の建物はカッコいいね〜。 どんなに維持コストがかかってもこういう趣のある建物を残してほしいよね。
Shanghai 1208 007

その後、ちょうど2階建ての乗合観光バスが目に入ったのでそれに乗ってみることにした。 最初景色もいいし、嬉しがってこの最後列に乗っていたんだけれど、走り出したら寒すぎて前に移動した(笑)Shanghai 1208 013

僕的にはこういうのがちょっと前までの上海などのイメージだったんだけどな~ ちなみにつながれて散歩させられているのは犬ではなく鶏(笑)
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その後豫園に行ってお土産物を購入し、小龍包をガッツイてから空港に戻るとちょうどいい具合の時間になったので、滞在時間が短かった割には思いの外充実した楽しみ方が出来た。 ただし前日からどこにもゆっくりを腰を落ち着けていないので思いっきり疲れたけれど。。。

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ディズニーリゾート10個分(笑)

という訳で、現在ベトナムのホーチミンに来ています。何か用があったわけでも何でも無いのだが、たまたま昨日カンボジアのコンポンチャムという州の外れまで来ていた時に、ベトナム国境まで2キロしか無いってことだったし、そこから3時間もあればホーチミンまで到着するということだったので、久しぶりに都会を見たくてやって来た(笑) 今回のお供はコンポンチャムに通訳を兼ねて突き立ってくれたダラ君。ASEAN諸国の中でもカンボジア人はベトナム・シンガポール・マレーシア・ラオスインドネシアはビザ無しで自由に行き来出来る。初ベトナム上陸のダラの感想は「うちの国のやつと同じで、そこら中にゴミを捨てやがる・・・人としてはあんまり変わらんな」ということと「スゴい建物がたくさん立っている割に、貧しい人がものすごく多いな」という事だった。

実はダラ、ものすごくいいところに気がついている。いわゆる本当の貧困層は、国が豊かになっても全くと言っていいくらい恩恵を受けることはない。情報・教育・資金が無いために貧困から抜け出すチャンスすら無いというのが現状だ。なのにも関わらず都会に行けば仕事があって豊かになれるという幻想を抱いて、どんどんと田舎から若い人達が出てくるから余計に都市型貧困層が増えて来る。この連鎖を止めるには以前のエントリ『格差の架け橋』にも書いたように、情報・教育・資金をいかにして貧困層に行き渡らせるかということに尽きるだろう。

で、その貧困層に情報・教育・資金を提供するプロジェクトの一つとして、現在シェムリアップ郊外の山間部に住む土地を持たない農民のために、道路を整備したり、国から土地を無償で借り受けて農業を行わせたり、学校や孤児院・ヘルスセンターを造るという計画を進めている。現在は橋もこんな感じの手作り感丸出しで、全く信用出来ない(笑)

今回はそのプロジェクトの農地で何を生産するかということを視察するために、コンポンチャムまで足を伸ばしたというわけだ。ちなみに今回のプロジェクトの農地面積は合計で1000ヘクタールあるそうな。1000ヘクタールというとディズニーリゾート10個分、もしくは台東区全部と同じくらいの大きさだ・・・

根っからの日本人でさらに都会育ちの僕には、1000坪とか言われただけでも途方もなくでかいのに、あの山の裾まで全部ですとか言われても、なんだかうまく想像がつかない(笑)

そんなに大きな農地で作物を生産しても、引き取り手がなければ大変な目に合うことくらいは僕にだって容易に想像ができるので、それらの作物を買い取って加工している工場を訪ねた。僕が小学生の頃『働くおじさん』という教育番組があったんだけれどそれを思い出した♪ この歳になってから社会見学をこんなにたくさんすることになるとは(笑)

バスと乗合タクシーを乗り継いで熱帯雨林のジャングルが綺麗なこのあたりに来てみると、心なしかすごく豊かに暮らしている人が多いように感じた。色々と聞いてみるとゴムの木を栽培している土地持ちがたくさんいるので、生活に困っている人が少ない地域だそうだ。 といってもマーケットなどは西部劇に出てきそうな雰囲気だ♪

で、色々と説明してもらった後、我々の計画を話しながら「農地が1000ヘクタールあるんだけれど、そこで採れた作物を買い取ることは可能ですか?」と聞いてみたら、軽く鼻で笑われた・・・ 「うちは自社でも2万ヘクタールの農地を確保して栽培しているけれど、全く需要が追いつかないのでカンボジア全土から、さらにはベトナムからも国境を越えて購入しています。1000ヘクタールから収穫できるような量ならいつでも買い取りますよ♪」

超強気だ(笑) 明日はプノンペンでいくつかの確認作業と調査をして、その後シェムリアップに戻ってさらに詳しく調べてみるけれど、今回のプロジェクト、案外と面白いことになるかも知れない♪ 

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