ランドラッシュ

今日のニューズウィーク日本版のコラムに池田信夫氏が『日本国債の格付けはなぜ引き下げられるのか』ってなテーマで寄稿していた。
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2011/02/post-286.php

簡単に言うと、今の日本国債はヨーロッパの破綻懸念国家と変わらないレベルの格付けだと見られてる。何故かっていうと、このまま時間が経てばいずれ日本国債を国内の銀行だけで買い支える訳にはいかなくなって、海外からの資金を頼りにする必要に迫られる。そうなると金利が上昇、すなわち日本の銀行が保有している国債の価値が下がって、日本の銀行なんか簡単に吹っ飛んでしまうような損失が出る。それを防ごうと日銀が国債を引き受けることになったが最後、日本円が市場に余り出してインフレが進んで、日本円の価値なんかどんどんと無くなっちゃうよっていうことだ。

ちなみに今の日本国債を買い支えている日本の銀行の資金の出元は、もちろん日本国民が汗水たらして働いて、贅沢をせずにいつか何かの時の為に後生大事に貯金しているお金です。

働いて稼いだお金から税金払って、年金や保険を払って、とまぁ、これはわかりやすく行政に使われているお金になっているわけだけれど、そこからさらに貯金しているお金も銀行を経由して国債を買うという形で政府に貸し出され、同じように行政に自由に使われている。

日頃散々政府のことをバカだのクズだのと言いまくって批判している人が多い割には、日本人は驚くほどの貯蓄率の高さを誇っている。これってなんだかんだ言ってみても日本国民が政府を100%信用しているっていうことになるんだけれど、みんなの言ってることとやってることが矛盾しすぎてるような気がするのは僕だけなんだろうか?

例えばこのコラムにもあるように今後数年間で2倍のインフレになったとしよう。ということは単純に考えて、みんなが今まで必死の思いで貯めてきたお金は、あっという間に2分の1の価値になってしまうってことだよね?そうなる可能性とならない可能性ならば、明らかになる可能性の方が高いと言わざるを得ないだろう。仮にそうなっても日本円が他国の通貨に対して今のレートのままならば、みんな大金持ちになれるけれど、残念ながらそう都合良くはいかないだろうなぁ(笑)

さて、ちょっと話は変わるけれど、今日のツイッターに下記のような投稿がありました。

21世紀の『ランドラッシュ (Land Rush)』とは、2007年以降の世界食料価格高騰が発端となり、欧州諸国、中国、韓国、インドなどが国を上げて、アフリカ、南米、旧ソ連圏、東欧、南アジアなどの耕作可能な土地を大掛かりに買収している現象。途上国などを舞台にした農地争奪戦が勃発中

ランドラッシュ(各国政府や穀物メジャーによる途上国の農地争奪戦)が起きる理由は、1)国連によれば2060年に人口は百億。食糧需要は増し生産量を2倍にする必要。2007年以降、米・小麦・大豆の価格は2倍以上に高騰しドル箱。2)石油なき後、バイオ燃料、バイオプラスチック時代になるかも


実際問題として食料の高騰は目に見えて分かる状況になっていて、僕達が扱っている豚肉もたったこの1年でキロ当たり6000リエル(1.5ドル)だったものが、8000リエル(2ドル)に値上がりしている。 もちろんその背景には飼料になる穀物の価格や燃料代が高騰しているという事実があるわけだけれど。

これに付随して、日本でも食料自給率なんてことが急に問題視されたりしていたけれど、そもそも食料を生産するための機械を動かしたりする燃料のほとんどすべてを輸入に頼っている日本が、国家安全保障のために自国で食料を生産しなければ、万一の場合危険だと言っている意味が全く理解出来ない。今の日本の地価や人件費から考えてみても、日本で生産する農作物が世界レベルでの競争力を発揮できるとはとても思えない。

さらには日本に住んでいるからと言って、世界で流通しているのとは全く別次元の価格が付いた農産物を買わなければいけない理由も無いだろう。時代はいつも安価で高品質の商品を求めている。日本製だから高くて当たり前、高品質だから高くて当然というのは、日本人のみが持っている幻想に過ぎない。

で、今日は何が言いたいかっていうと、今後インフレが進む可能性が高くて、もしかしたら持っているだけで価値がどんどん目減りしていくような日本円を、ずっと銀行に眠らせておくのではなくて、海外の農地や食物生産に投資することを考えたほうが、遥かに建設的なんじゃないかということです。

インフレが進めば必ず食物は同じように価格が上昇していく。インフレが進めば進むほど損する現金から、インフレが進めば進むほど儲かる食物分野へ資産を振り分けておくには、もう決して早過ぎる段階ではないだろう。

今、僕がその回答の一つとして手がけているのが養豚や魚の養殖。特に豚に関してはカンボジアはまだまだ国内消費を輸入に頼っているのが現状です。一説によれば国内消費を全て賄おうとすれば、今の倍の生産能力が必要だそうだ。ということは、この分野だけでもまだまだ参入余地がタップリと残されているってことです。

ってなわけで、興味あるな~って人はいつでもお気軽にご連絡くださいな☆

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危ういところ・・・

カンボジアの森林はもれなく国有地になるとカンボジアの法律には記載されているようだ。 ちなみにカンボジアの国土の80%は未登記のままなので、国もその他の誰もが一体どこが誰の土地なのか完全に把握はしていない。
そのためカンボジア政府は2002年の衛星写真を元に森林の場所を特定し、その場所を国有地として管理することにより違法な森林伐採を防ごうとしているようだ。

で、今回我々が取り組んでいるリムチャ村の開発なんだけれど、この場所も2002年当時は森林だったようだ。 現在は写真のように森は無く、村人や金儲けに走った連中に物の見事に木を伐採されてしまっている。

しかし現在も国が把握しているのは2002年の状態なので、今も森林であり国有地となっているらしい。カンボジアの法的な貧困対策の取り組みとして『ソーシャル・ランド・コンセッション』というものがあり、1000ha以下の土地に関しては州政府が自由に開発許可を与え、土地を持たない貧しい農家に1家族当たり2haの土地を与えることができる。ただし、この場合該当する土地が国有地である場合は、一旦州政府からカンボジア政府に開発許可願いを申請して、森林指定を解除してもらい土地の所有権を州政府に移転してもらわなくてはならない。

もちろんこのリムチャ村プロジェクトの場所も森林と指定されている以上国有地なので、そのように手続きを行わなければならないのだが、いかんせん現状が森林ではないために州知事が『州政府の土地である』と勘違いしていたようだ(笑)我々HUGSが契約するに当たって弁護士に全ての書類を確認させたところ、まだ不備があると指摘されていたのはその部分だった。

州知事としては以前僕との面談も済ませ、書類もすべて整え完全にHUGSに対して許可を与えているつもりだったのだから、今更アシスタントに『まだサインが必要な書類が残っています』と告げられて激怒したようだ。『1000ha以下の土地の開発許可に関してはカンボジア政府から州政府に許認可権を移譲されている。州トップの自分が直々に許可したものをどうしてまたカンボジア政府にお伺いを立てなければならなんだ?オレをナメているのか!!』

カンボジアは金とコネとメンツの国だ。 特に政府は早い話日本のヤクザ組織のような感じでもあるから、親分がカラスは白いと言えば黒いカラスも白くなる。 そのような中で間違いを指摘して理解してもらうのは、アシスタントの役人も大変な気苦労であっただろうことは容易に想像できる。

おかげさまで本日どうにか知事の理解を取り付け、再び書類にサインをし直してカンボジア政府に書類を送ってもらえる運びとなったが、もしあのまま知事のサインと現地NGO代表者の言葉を鵜呑みにして開発を進めていたらと考えるとゾッとする。人助けのために行ったプロジェクトで、下手すりゃHUGSが森林を伐採して開発したとか、はたまたそれをお目こぼししてもらうために賄賂を払ったんじゃないかとか、あらぬ濡れ衣を着せられちゃたまったもんじゃない。

いやはやいつも本当にいい勉強をさせてもらってますよ・・・ 後はもう少しクメール語を話せるようにしなければ(というかもう何度も書いているが、これも来年の目標の一つです)いつまでも英語だけに頼っていては進歩がないなぁ。 頑張ろう

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新しいプロジェクト

司法書士法人新宿事務所のスタッフ佐藤さんの提案で、またひとつ新しいプロジェクトに着手できる可能性が広がってきた。
現在ダラの村のプロジェクトに関しては提携先の会社の決議を待つばかりとなっているので、次なる村のインフラ整備とビジネスを絡めるアイデアを実行に移したいと、うずうずしていたこところでの提案なので、何としても実現させたいところだ。
(参照記事)
・トゥクトゥクドライバーのダラ
http://hugs-int.com/kengo/archives/1119

次なるターゲットはダラの奥さんとその弟ロン(たまにダラの身代わりにトゥクトゥクドライバーとして登場するので知っている人も多いと思う)のお父さんの村だ。 これがダラの奥さんの実家。 まぁ平たく言えばダラの義父の家♪


この村はダラの村より更に10キロほどシェムリアップの街から離れていて、しかも貯水池バライからトンレサップ湖への水路とは反対側にあるので水に恵まれておらず、そりゃもうかなり原始的な暮らし向きをしている人が多い村だ。 僕はもうかなり見慣れたけれど、改めて良く考えてみればかなり時代を超越した情景だ(笑)

年配層の人々はまだそれでもいいだろうけれど、子供たちがこの村で受けることが出来る教育機会や情報の格差が街中に住む子供たちに比べてあまりにも大きいと、大人になったときに望むことが出来る未来が全く違ったものになってしまう。

もちろん公立の小中学校はあるんだけれど、これに関しても地方部は先生のなり手も不足している事情もあり(給料も安いし、やっぱり若者は都会に憧れる)、教育レベルは推して知るべしだ。 特に英会話が必須とも言える昨今のカンボジア事情を鑑みれば、近隣の村の子供達が無料で学べる語学学校はマストアイテムと言ってもいいだろう。

こういった学校の設立や運営、それに最近力を入れ出している安全な飲料水の提供などを永続的に行うことが出来るようにするために、佐藤さんたち有志一同が村に投資を行うことを検討してくれている。 これは飲料水用の井戸。 井戸と言ってもほぼ『ただ穴を掘っただけ』だ。 今は雨季だからいいものの乾季は本当に飲料水の確保自体も大変だ・・・

今回のプロジェクトで僕が佐藤さんに提案させてもらっているのは養豚ビジネス。
(参照記事)
養豚ビジネス@ダラの村
http://hugs-int.com/kengo/archives/1120



強く提案する最大の理由はダラの義父が獣医であり且つ以前は母豚を10頭飼育している養豚家だったから。 数年前に身体を壊し医療費を捻出するために資産を全て切り売りする羽目になってしまい、現在は豚舎も全て無くしてしまったが経験はピカイチだ。 その頃はこの地域(コミニューンという村が10村程度集まった行政区)の長を勤めていたこともあり村の名士だった人でもある。

もう一つの理由は写真を見てもらえれば分かり易いと思う。

上の写真はこのダラの実家の前の道を挟んだ向かい側にある養豚家の家だ。 
飼育しているのは母豚4頭だけなのに、これだけ家の大きさが違ってくる。 ダラの実家と比べてみると造りも大きさも全く違う。

ということは水に恵まれていないこの村でも養豚は充分に利益を稼ぎ出すことが出来るビジネスだということだ。 その利益で語学学校を運営していくことが出来れば『この村で英語を使えるのはロンだけ(ダラ談)』という状況を著しく改善出来るだろう。 ちなみにロンの英語はとても使えるというレベルにはまだ遠く及ばない・・・(笑)

さて、また楽しみが一つ増えてしまった♪ 佐藤さん、朗報期待していま~す!!

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