AGRIBUDDYが表彰されました

非常に実り多き日本出張から戻ってきて、ようやく一息ついたところなのでブログ更新しちゃいましょう。今回の出張では1泊だけ久々に地元大阪に寄って、お世話になっているのに中々会えてなかった人たちのところに顔を出してきた。特に僕が20代のころから何かと世話を焼いてくれていた僕の父親と同い年のおっちゃんのところにも顔を出せて、相変わらずの調子でのんびり楽しくやってくれているのが確認できたのが何よりもの収穫だった。僕自身が、ものすごい勢いで変わり続けている場所に身をおきながらも、20年経っても変わらず迎え入れてくれる人々が居る場所があるっていうのは、本当にありがたい。

さて、そんな若干センチメンタルな大阪滞在を終えての東京では、AGRIBUDDYが次のステージに進むための資金調達ラウンドのプレゼンをメインに、様々な新しい人との出会いがあった。中でも特に『デリー勤務を命ず 辞令が出たら読むビジネス版インドの歩き方』『インドのことがマンガで3時間でわかる本』などの著者で、AGRIBUDDYインド進出への頼れる水先案内人を務めてくれている繁田さんから、「6月24日に日経フィンテックのイベントで、スタートアップピッチバトルが有るんだけど出てみませんか?」という連絡をもらった。

あら、ちょうど購入したばかりの航空券が24日の朝に出国する便になっているのですが……。 とは言え、このチャンスを逃すわけにもいくまいと、すぐにチケットをキャンセルして一日東京の滞在を延ばしました。っていうか、実は宿泊もすでに予約を入れていて、一泊延ばすのを完全に忘れていたことに気がついたのは、24日にイベントを終えてホテルに戻った時だった(笑)

当日のイベントでは、ピッチバトルのモデレーター、トーマツベンチャーサポートの大平さんが事前にプレゼンのヒヤリングを行ってアドバイスなどをしてくださった甲斐もあって、7分という制限時間内に最低限伝えたい事を盛り込むことができ、そうそうたるメンバーの審査員の皆様からもAGRIBUDDYの取り組みに対して、大変素晴らしい評価をいただくことが出来ました。

表彰の壇上を下りるとすぐに春田さんから「日経Fintech表彰されたんだ?おめでとう」というメッセージと共に下の写真が送られてきた。received_10206894117457012僕自身がまだ一枚も写真持ってないのに、早っ!(笑)さすがのネットワークです。

当日の様子は下記の記事にもしていただけました。
http://thebridge.jp/2016/06/nikkei-fintech-conference-2016-fintech-startups
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/062700559/?ST=fintech&P=1

また、時を同じくして先月取材をしていただいたTechwaveのマスキンさんも、素晴らしい記事を書いてくださっています。
http://techwave.jp/archives/agribuddy-22001.html

いやはや、さすがプロ。僕よりも説明が上手いので、今後AGRIBUDDYってどんなサービスなのと聞かれたら、この記事を使わせてもらうことにします。

また、AGRIBUDDYの構想の元になったカンボジアでのプランテーション事業などを行う、HUGS agtechへの投資からお付き合いいただいている加藤さんも早速ブログをアップしてくれました。
http://katou.jp/?day=20160627

当初AGRIBUDDYの構想を話した時にCTOの原永さんをカンボジアまで連れて来てくれたのも、AGRIBUDDYをHUGS Agtechからスピンオフさせて一気に攻めようと提案してくれたのも、今回の日経フィンテックに繋がることになる繁田さんを紹介してくれたのも、実は全部加藤さん、という、まさに「ハンズオン投資」の見本のような活躍を惜しみなくやっていただいています。

いやぁしかし、改めて考えてみるまでもなく本当に色んな人に支えられていますねぇ、僕は。AGRIBUDDYをなんとしも成功させて、みなさん口々に「AGRIBUDDYは俺のお陰でうまくいったんだよ」と言ってもらえるようにしたいな〜。

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うるう年の思い出

4年に一度、うるう年にしか存在し無い日である2月29日の昨日は僕個人、そしてAGRIBUDDYにとって素晴らしい一日となりました。

まずはAGRIBUDDY。

AGRIBUDDYは途上国の農家と周辺関連事業者をオンライン上で結びつけることによって、現在の農業界を取り巻く様々な問題を解決しようと考えたことから、社内のいちプロジェクトとして始動し2014年11月にβ版をリリース、2015年1月に社内プロジェクトから正式にスピンオフして法人登記、そして4月にオフィシャル版のリリースという流れでこれまでサービスの構築を進めてきました。一口に「途上国」「農業」と言っても各国の政府の取り組みや各農家の状況はマチマチなのですが、その中でも最も多くの問題点が複雑に絡み合っていると思われるカンボジアでサービスを構築することが出来れば、状況がもう少しマシだと思われるその他の国々でもワークする汎用性の高いサービスが提供できるのではないかという仮説のもと、カンボジアの中でもさらに僻地の小さな州をベースに試行錯誤を繰り返し、いよいよ国内全地域はもとよりタイやベトナムなどの近隣諸国、さらにはバングラディシュやインドといった南アジアへの進出に向けて始動するタイミング到来です。

そこで、この次なる飛躍を大きなステップとするために、今の僕たちが最も必要としている「緻密かつ大胆な戦略策定」や「強固な組織づくり」を通じて世界の農業のあり方を変えるという大きな目標を現実のものにするために、知恵と力と経験を注いでいただける心強いパートナーとして、CFOとしてスタートアップだったDeNAを数千億円企業にまで育てあげ、会長在職時には横浜ベイスターズの球団買収と運営をオーナーとして行った経験と実績を持っている春田真さんと、友人のAOLプラットフォームズ・ジャパン元COO橋本久茂さんたちが運営するベータカタリスト(http://betacatalyst.jp/)が第三者割当増資の引受けをおこなってくれることとなり、昨日2月29日に契約が完了しました。

春田さんたちの参画によりチームAGRIBUDDYは、今まで以上に焦点を定めて、なおかつ大きな成果が出せるような取り組みを行っていきます。また、春田さんと橋本さんをハノイでご紹介くださったDonuts (http://www.donuts.ne.jp/) の野津さん、貴重なご縁を本当にありがとうございました。

僕個人の出来事としては、予定より2週間ほど早かったのですが娘が誕生しました。どうせ早く産まれてくるなら4年に一度しか「正確な誕生日」が来ないという2月29日だったら、まさに生まれながらにして僕の”ネタ体質”というDNAを受け継ぐことになったのだけど、さすがにそれは本能的に避けたのかお腹の中で持ちこたえて、3月1日に日付が変わった10分後に誕生してきました。どうやら危機察知能力には優れているようです(笑)

そんなわけで、会社として個人としてもまた新たなステージが始まりました。みなさま、どうぞ引き続き応援とアドバイスのほどよろしくお願いいたします。

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シリコンバレー、意外な色々

シリコンバレーで意外だったことをいくつか。

まずインターネット接続がショボい。あの、何をダウンロードしても全くストレスを感じない日本の超高速接続に比べて、どうも”もっさりした感”が否めないのは気のせいだったのか?あんまカンボジアと変わらんやん的な感想をもちました。

次にまぁ、これは意外と言うよりは想像以上だったのがエンジニアの給料とその生活ぶり。新卒の「僕、コーディングをやってみたことは有ります」程度の人材で年収12万ドル(約1,450万円)、ちょっとマシな人材で14万ドル(約1,700万円)。このレベルの収入の人たちは遠方から電車に乗って通ってくる層の人々で貯金するなんて全く無理、税金や保険を払って生活するのでいっぱいいっぱい。虫歯にでもなって歯医者に行った日には借金生活が待っている。

17万ドル(約2,000万円)を超えてくると、ようやく車通勤が出来る身分になってくるらしい。ちなみに「生活費を切り詰めて起業するぜ!」的な野心満々のスタートアップCEOは年収8万ドル(約1,000万円)くらい。これはもう狭い部屋を友達とルームシェアしたりするレベルの生活になるらしい。サンフランシスコの地価はニューヨークのマンハッタンよりも高くなっているらしく、小さなワンベッドルームの部屋でも家賃が3,000ドル(約36万円)だとか。

ちなみにAGRIBUDDYの開発拠点のあるハノイだと、かなりハイレベルのエンジニアでも年収15,000ドル(約180万円)くらいで雇えるので、ざっとシリコンバレーの10分の1の価格ということになりますね。で、ハノイでの年収15,000ドルとシリコンバレーでの年収15万ドルのどちらが相対的に豊かな暮らしが出来るのかと言うと、圧倒的にハノイに軍配が上がりそうな気がします。あー、もちろん街全体の雰囲気とかクオリティーを言い出すと勝負にならないのだけれど、個人的に「俺って、もしかして貧乏なんじゃないだろうか?」と疑問に感じてしまいそうなのは、シリコンバレーの年収15万ドルの方っぽいですよね。

もう一つは、みなさん口を揃えて言っていたことで「シリコンバレーとという場所は日本以上の強烈なコネ社会で、まず外部の人がいきなりVCやエンジェルなどの投資家を訪ねて行く(というか、ネット経由で資料を送ったり、アポの申し込みも含む)という、若者が好きそうな行動をとっても全く相手にされない」ということだった。これもちょっと考えてみたら当たり前の話で、それこそ世界中から「自分の事業こそが最高だ」と思っている連中が山ほどの資料を送りつけてアポを申し込んでくるわけで、こんなものをいちいち資料に目を通しているだけで限り有る人生の時間が終わってしまいかねないわけで、自ずと信頼の於ける筋からの紹介を受けた人とだけ会ってみて、話を聞いてみるということになる。

ともすれば年収100万ドル(約1億2千万円)優に超えているような人たちに1時間とか時間を取ってもらうわけだから、ここにアポを入れてくれる紹介者の方々も変なのを紹介すると自分の信頼性が揺らいでしまいかねない。なのにも関わらず、僕は今回色んな方々の紹介のおかげで多くの人に話をさせて頂く機会に恵まれました。これが先日の記事にも書いたような『お返しのしようがない親切』の一つです。

実際のところ、僕たちが勝手にイメージしていたものとは違いシリコンバレーに「アジア志向」や「グローバル志向」のようなものは無く、お会いさせていただいた殆どの方は「カンボジアで農業系サービスをやってるとか言われても・・・」と困惑しながらも時間を取っていただいた状態だったと思います。

まずアメリカ市場で大成功する。

とうことが大前提となっているのがシリコンバレーであって、グローバルマーケットを網羅しているわけでは無い、というのも一つの現実でした。結果的にグローバルマーケットを狙いに行くのは当然だろう。しかしまずはアメリカのデラウェア州に法人登記して、シリコンバレー周辺で暮らし、アメリカマーケットでブレイクするサービスを作る。そして、この強烈なコネ社会で認知されるために膨大なコスト(時間もお金も)を掛けて人脈形成をし、自分に目をかけてくれる大物を捕まえる。

夢と希望とアイデアだけあれば誰でも挑戦できる、まさに自由でオープンなアメリカンドリームを具現化している場所シリコンバレー。というイメージとはむしろ対極に位置していると言っていいのかもしれません。そしてこれこそが最も僕が意外だったシリコンバレーの現実でした。

いやぁ、でも本当に行って良かったです。フォーカスすべき内容や投資家の方々の気になるポイントなど、色んな意味でよりAGRIBUDDYの方向性が明確になりました。改めまして、僕のアメリカ滞在中にお時間をいただいたみなさま、本当にありがとうございました。

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