基本的には、今年の1月に書いたエントリーなんだけれど、僕の行動原理の根幹を担っている考え方の一つなので、少し修正しつつ紹介しておきたいと思う。最近巷で流行っている『社会貢献』というのは、いったいどういう事を言うのだろう?という事です。
そもそも本来、きちんと儲けることが出来ている人は、社会に貢献しているからこそ金儲けが出来るんだろうと思う。もちろんどんなことにでも例外もあるが・・・(笑) で、ユニクロなんて品質が良くてデザイン性もいいっていう、従来の安物の概念を覆して多くの人におしゃれをしたりする機会を提供しているのも素晴らしい社会貢献だよね。もちろん利益を上げることによって雇用も創出しているんだから、社会に対する貢献度は計り知れない。
反対に、この記事を書いた翌月、会社更生法の申請を行なったJALは、昨今の格安航空などより多くの人に飛行機を使う機会を安価で提供する、という流れを見誤った。いつまでも自分たちの利益を守ることに力を注いでしまったことが高コスト体質を生み出してしまい、とうとうどうにもならないところに来てしまったということだろう。
会社更生法の申請の前月になって、ようやく格安航空会社を設立するとか言っている始末だった・・・
もう少し早く巨大企業としての社会へのかかわり方を考えていれば、今頃結果は全く違ったのかもしれない。
なぜならエアーアジアなどの格安航空はとてつもない速さで成長したし、彼らの社会へのかかわり方のポリシーは『NOW EVERYONE CAN FLY』(今、全ての人が空を飛べる)というキャッチフレーズに集約されている。僕はこのキャッチフレーズが大好きです。
また、巷で言うところの社会貢献と言えば、日本だけではなく世界各国に『社会に貢献することを目的として設立されている』NPO(非営利団体)やNGO(非政府組織)などの活動があります。ただ僕は、この非営利活動の限界点が最近見えてきているように感じているのです。
まず第一に活動の原資が寄付や無償奉仕、政府からの助成金など、人々の寛大な気持ちや経済力に依存しているという点。自分たちで活動資金を生み出していない以上、これらの資金の流入量によって大きく活動の内容が変わってしまうし、自分たちでその量をコントロールすることができない。今回のような金融危機が起こったりすると、モロにその影響をかぶってしまう・・・
さらにNPOの人々がその資金を確保するために時間とエネルギーを割いてしまい、本来の活動プログラムが中々進まなくなってしまう・・・いわゆる手段が目的化してしまうという問題もある。
(参照)
目的と手段
http://hugs-int.com/kengo/archives/1027
もう一つの大きな問題はこういったNPOの人々にビジネスセンスが欠けている、もしくはそもそもビジネスをしたことが無いという点。貧困から抜け出すには経済力をつけるのが一番の早道なのに、その貧困から抜け出す手伝いをしている人々が経済的なセンスに欠けていては本末転倒だろう(笑) 無償だボランティアだ非営利だといったところで、資本が無ければ腹は膨れない・・・その資本をいつまでも他人の慈悲に依存することは非常に危険だし、依存している人たちを一生貧困から抜け出させることは出来ない。
このようにNPOなどの社会貢献を前面に押し出して活動しているところに資本が思うように集まらないのは、資金提供者にメリットが少ないからに他ならない。事実、資金提供者にメリットが多いと考えられている世界の株式市場には50兆ドル(5000兆円!?)を超える資金が集まっている・・・ 本来のビジネスとは資本の出し手と受け手双方がメリットを享受し、そこから生まれる新たな価値が社会を変えていくものだと思う。でも残念なことに今までの多くの社会貢献モデルは、この資本の出し手が受けるメリットが『社会的名声』であるとか『いいことをした気持ちよさ』しかなかったようだ。
もちろんそれも大切なことではあるけれど、これでは社会貢献に資本を提供できる人がお金持ちか心に余裕のある人に限られてしまう。 僕のこれからのチャレンジはいかにして社会に貢献しながら、かかわる人全てが利益を享受することが出来るビジネスを作ることができるのか。
現在思いつく最高の社会貢献ビジネスモデルは、先日カンボジアの子供たちを連れていったディズニーランド。あれだけ多くの人がそれぞれに最高の笑顔で楽しんで、どんなに待たされても文句も言わず、決して安くはない金額をバンバン使って帰っていく。迎える側もスタッフを始め、あらゆる部分に徹底的にこだわり抜き、いついかなる時も来客に楽しんでもらえるように努力している。みんなを楽しませ、雇用を創出し、数多くのエンターテイメントのプロを生み出し、利益を出すことで株主(資金提供者)に貢献し、納税し、ディズニーに来る人達の交通費など、周辺へ与える経済効果も計り知れない。まさにこれこそが社会に貢献するということだと感じた。
こんな素晴らしいビジネスモデルを考えたい!!