フィフォンの悩み

さて、うちの孤児院の運営は、元々その場所に住んでいた家族が一家で切り盛りしている。
理事長を努めるのが元政府の軍人で、地域の信頼も厚いお父さんのポン・セナ氏。実際の運営を一手に引き受けているのが、次男のフィフォンだ。 
お父さんは全く英語が話せないので、もちろんボランティアの人たちとの会話も出来なければ、他国のNGOなどとの交渉や支援の引受も出来ない。必然的にフィフォンの仕事が増える一方って事になる・・・


ちなみにこのフィフォンくん、今年で28歳(数え歳で言うのでちょっとピンと来ないが)になるんだけれど、英語と中国語がほぼ同じくらい話せて、尚且つ日本語も少しだけなら話せちゃう、結構すごい奴だ♪
もちろん母国語はクメール語なので、軽く4ヶ国語が話せる・・・


ちょっと想像してみてほしい。若干28歳の超田舎者(日本の田舎どころの騒ぎではない)の青年が、英語でメールはするは、外国人相手に寄付金の交渉はするは、はたまた僕みたいなワケの分からないビジネスを持ちかけてくる奴に引っ張り回されるは、それを全てソツなくこなしながら、49人もの孤児を抱えている学校を運営している。しかも政府からの支援は一切なしだ。


もしかしてそれってスゲーことなんじゃない??


だってこの前初めて支援者に連れられて飛行機に乗って、マレーシアに行って10階建て以上のビルを見ましたっていうような状況にいる28歳だよ?


こういう優秀(何よりもモチベーションが優秀だよね)なやつを、日本に留学させてカンボジアで習えないことを勉強させてあげたいなっていつも思っているから、フィフォンに聞いてみた。
『日本に行って勉強してみたくない?』


そうするとフィフォンは本当に寂しそうな顔をしてこう言った・・・
『KENGO、ありがとう。でも僕が孤児院にいなくなると、一体誰が切り盛り出来るの?お父さんじゃ無理だし、兄貴も全然出来ないよ?行けるなら世界のどこにだって行って、もっともっと勉強をしたいけれど、孤児院をやり始めた限りそれは出来ないよ・・・』


う~ん・・・優秀な奴なだけに彼が抜けると、今度は孤児院が回らなくなってしまう。実際にマイクロクレジットにしたってフィフォンがいなければ出来なかっただろうし・・・でも、さらなる将来の発展を考えるのなら、やっぱりフィフォンは一度留学をして、もっと広い世界を見てくるべきだと思う。


どうすればいいんだろう?


当分頭を悩ませてみる事にしよう・・・って、フィフォンじゃ無くて僕の悩みになってるやん(笑)



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