爆破処理。そしてさらに・・・

実はこの前ブログを書き終わってから動画をアップしようと思って頑張ってみた。


手榴弾の爆破処理をした時の動画の容量が161MB、日本でなら何の問題も無くアップできるこのサイズでもカンボジアでは中々そうはいかない(笑)


 


 


僕の泊まっている部屋はWiFi無線でインターネットに繋がっているので、ためしにアップロードしてみると全くアップが進まないまま残り時間がどんどん増えていく・・・


しまいには残り時間25時間とか意味のわからない数字になってきた(笑)


まぁどうせ寝るつもりだったので朝までにどれくらい進んでいるか見てみるのもいいだろうと思って、そのまま放置しておくことにした。


 


 


ところがやはり無線っているのはたまに切れたり繋がったりすることがあるのか、朝起きたときはどこまで進んだのかわからないまま不明なエラーとかいう表示になってしまっていた・・・


 


 


話はジャングルに戻り、僕たちが安全地帯に行った後、起爆装置とTNT火薬を結びつけいよいよ手榴弾の破壊をする。


準備が完了した後、再度大声で周囲に今から爆発が起きること、この周囲に立ち入らないことを告げて起爆装置を押した。


土中深く埋めて上に大量に草木をかぶせてあるので爆発が横には広がらず、全ての力が上にと抜けるようになっており土煙が高く舞い上がった。


 


 


すぐさまその後を見に行ってみると直径1.5mくらいの穴が開いていて、火薬の匂いが充満していた。







本当のところを言うとこのような処理の仕方は非常に非効率なんだってさ・・・


なぜならこの爆発で当たりに手榴弾の中身の破片が散らばり、金属探知機に反応してしまうからだ。







ただでさえこの地雷原は激しい戦闘があった場所らしく、周囲に銃弾や薬きょうが転がりまくっているから、いちいち金属探知機が反応して作業にも時間がかかるし、そして何よりこのような処理の仕方には金がかかる・・・





 


 


もともとアキ・ラという人は自分ひとりナイフ一本だけで5万発の地雷を処理してきた人物だ・・・


ところが今は国際的な協定があって、地雷処理の仕方にもルールがあり爆破解体をしなければならないらしく、以前のようなやり方をしていると1発でNGOの資格が取り消されてしまう。


 


 


地雷の販売価格がだいたい1発5ドル前後・・・驚くほどの格安兵器だ。


でもそれを取り除くのに、今のようなやり方をするには人件費や爆破にかかる機材代、人材の宿泊や移動にかかる費用などざっと見積もって1発当たり500ドル以上かかってしまうらしい。


 


 


カンボジアには地雷処理の団体が4つあって、アキ・ラの団体意外は全て外国系のNGOだ。


すなわちそれぞれ自分の団体が登記されている国(アメリカとかフランスとか)からたっぷりと助成金をもらっている・・・そしてそういうNGOの母体は兵器製造会社だったりする・・・


残念ながらアキ・ラの団体はカンボジア政府からの助成金など一切無く、地雷博物館の売り上げと他国からの寄付金によってのみ運営しているので非常に苦しい台所事情だ。


 


 


兵器を作っている企業がある限り、それを売り続けなくては企業が成り立っていかないわけだし、兵器をたくさん売るためには戦争が無ければ売れないわけだから、戦争自体がなくなるとはとても思えない。


しかも僕だって頭にきて人をぶん殴ったこともあるし、ましてや大切な家族が殺されたりしたら許せない気持ちにもなるだろうから、戦争が駄目ですとか何だとかいくら大声で叫んでみても意味がないと思っている。


そんな意味の無いことをするよりも、こうやって戦争の後始末をしている人たちがせめて金銭的な心配をせずに、きちんと生活を続けていけるようにすることのほうがよっぽど大切なことなんじゃないかと思った。


 


 


そんな一日を過ごした日の夜、僕の床下ホテルの寝床はジャングルの木の中に移動することになった・・・


まずは自分のハンモックを吊るす周辺の草や木を全部払ってきれいにしなければならない、なぜなら木を伝って蛇が来たり草を伝って蟻が入り込んできたりするから。


ハンモックで揺ら揺らしているアキ・ラに指導されながら約30分掛けて自分の今夜の居場所を確保した♪





 


 


そして翌日、僕にとっては驚愕すべき事実が判明した。


なんと昨日何度も上を歩いていた道から、とてつもなく危険な地雷が発見されたからだ。







少し土の中に深く埋まっていたから踏んでも大丈夫だったのか、運良く上を歩かなかっただけなのかはわからない。





 


 


この地雷、踏むと上に飛び上がり1mくらいの高さで爆発し破片を辺り2・30mに撒き散らすというとても殺傷能力の高い優れものだそうだ。


かなり珍しいタイプの地雷らしく州知事なども見に来ることになったので、それまでこのまま保存することになった。


 


 


そしてその後さらに別の場所からもう一つ、スタンダードなタイプの地雷が発見された。







これも前日の夜懐中電灯一つで虫を追い掛け回したりしていた場所のすぐ近くだ・・・今さらながら背中を寒いものが走りぬけた瞬間だった。


日ごろすぐに人の地雷を踏んでしまう僕にとって、本当の地雷原はやっぱり危険すぎる・・・


 


 


地雷は大体5キロくらいの重さで踏むと爆発するそうだ。








 


普通にホームセンターで市販されていそうな塩ビのパイプを切って作ってあるこの地雷は、どう見たっておもちゃにしか見えないし、そりゃぁ5ドルで売っても儲かるだろう・・・


それでもこれで人の両足をきれいに吹っ飛ばしてしまう威力がある。




ちょうど近くに蟻塚があって、それを盾の代わりにすれば爆破処理を行うにも我々にとって安全だから、処理をみせてくれることになった。


今回はTNTに導火線をつけてそれに直接タバコで火をつけて爆発させる処理の仕方をすることになった。







要は爆竹のでっかい判だ(笑)


 


 


導火線に火をつけ約100m先まで早足で移動して約1分以内に爆発するというので、火をつけるところまで一緒に行かせてもらった。






導火線に火がついた瞬間に急ぎ足で安全地帯に移動するんだけど、足元は木の切り株や草の切れ端などがたくさん落ちていて本当に歩きにくいし、さらにアキ・ラは慣れているのでとてつもなく移動が早い・・・


安全地帯にたどり着いた時には息が上がっていた(笑)


 


 


今回の爆破シーンは画質を落として撮影したのと、あれから速度の速いインターネットショップを見つけたのが幸をそうしてアップすることが出来た。


それでも2時間かかったけれど・・・(笑)


この地雷撤去とジャングルでの生活体験は僕に色々と衝撃的で、もちろん今までに経験も想像もしたことの無い世界を体験させてくれた。


アキ・ラとその仲間たちが今後も事故が無く素晴らしい仕事が続けられることを願うと共に、僕自身もこれからも彼らをサポートしていきたいと考えている。


 


 

 

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