日本は昔、黄金の国ジパングなんて呼ばれていたらしく豊富に金が採れていたようだ。
その証拠に江戸時代などは大判小判といった金貨が流通していたわけだし、明治維新後もあちこちに金山が存在していた。
いったいそれだけたくさんあった金はどこに消えてしまったんだろう・・・?
それはさておき、どうやらここミャンマーも黄金の国であることは間違いないようだ。
国内にあるいくつかのパゴダは金ぴかに光り輝いていたりするんだけれど、それらはすべて本物の金箔を貼り付けてある。
日本の金閣寺も確か金箔をはり巡らせてあったはずだろうと思うんだけれど、ミャンマーのパゴダに貼ってある金箔を作っているのはマンダレイだけだそうだ。
その金箔を作っている工場に見学に行ってみると、今なお完全にハンドメイドで作業を行っていた・・・
使用している金はすべて国内の金山で採れたもので、その金の小さな塊をリボン状にローラーを使って伸ばしていく。
ある程度の薄さになったら2センチ四方にカットして竹で作った紙の間に挟みこみ、それらを100枚重ねて鹿革でしっかりと固定する。
それをこのように重さ3キロのハンマーで叩いて伸ばす作業を1工程30分という単位で繰り返す。
最終の工程で5時間叩き続けることによって極限まで薄く引き延ばした金箔が完成するそうだ。
ちなみに金箔を挟み込む竹紙もハンドメイドで、竹を繊維だけにするために水とライムの入った瓶に3年間漬け込むらしい・・・
なんとも気の長い手の込んだ作業と伝統を、今も守り続けている工場が全部で70か所ある。
でもこんなに金箔を作ってもいったい何に使うんだろうというのが疑問だった。
次に向かったのがマンダレイの金箔を実際に使用しているパゴダ。
さっき製造過程を見てきたばかりなので、心なしか本当に光り輝いて見える(笑)
中に入ってみてようやく金箔が今も何に使用され続けているのかが判明した。
仏像にみんながお布施代りに貼り付けていっている。
人々の力によって仏像が永遠に光り輝き続けるっていうのは、なんだかとっても歴史の重みのある話でかっこいい♪
そういえば少し話がそれるけど、どういうわけかビルマ人はみんな葉巻を吸っている。
細い葉巻から太い葉巻までさまざまな種類があるけれど、こんな風に年配のおばちゃんがブットイ葉巻をふかしているのも中々に味があるってもんだ。
葉巻好きの僕としてはちょっとうれしい光景だったので、思わず写真に撮ってしまった(笑)
さらにそこから少し離れた場所には、マーブルストーンと呼ばれる大理石を加工する工場が密集しているところがある。
これまた職人が寄ってたかって削りだしたものを、女の人や子供たちが磨き上げている。
出来上がったものをあちこちで見ても別に何とも思わなかったけれど、こうして実際の作業工程を見せられると、あまりの手のかかりっぷりにびっくりさせられてしまう。
ミャンマーに今も残る伝統を見た後に空港に向かい、次の場所バガンという古都に向かった。
それにしてもマンダレイ空港のもったいなさは相変わらずだ・・・(笑)
ホテルにしてみたってそうだけれど、すごくいい建物なのに人がいなくてガラガラだ。
歴史と伝統が今もしっかりと残っていて、ホテルや空港の建物もいいものがたくさん建っている。人は優しく親切で治安は良くて海も山もあるのに、どうして観光客が少ないのか考える間もなくわかりそうなものなのに・・・
そしてバガンに到着してみて僕ははっきり言ってかなり驚いた。
11世紀から13世紀にかけて建てられたパゴダと僧院が見渡す限り、まさに当時の景色のままで地平線の彼方まで4000以上散らばっている。
時代的にアンコールワットと変わらない頃の建造物だけれど、正直に言ってアンコールワットでは足元にも及ばない強烈な景色だ・・・
ただしその分すべてが原始的な生活なので、ちょっと参ってしまったこともたくさんあるんだけれど・・・(笑)