場所が変わるとインターネットに接続できる場所を探すのに一苦労だ・・・
今はバガンといういう場所にいるんだけれど、これはここに来る前に滞在していたマンダレイでのお話です♪
マンダレイのど真ん中には『マンダレイ・パレス』という、1辺2キロはあろうかという馬鹿でかいパゴダがある。
これを中心にあちこちにパゴダが点在しまくっているのがマンダレイだ。
マンダレイのパゴダに入場するためには観光客は10USドルを支払わなければならないことになっており、馬鹿げたことに現地通貨は受け取ってくれないので予めドルを用意していかなければならない。1ドル札で5ドル分を持っていたので、後5ドルだけを近くの両替商で用意し出かけることにした。
さすがにこの広さの街を歩いて回る気には全くなれず、せっかく周辺探索するのにタクシーでっていうのも味気ないので、最近お気に入りの自転車タクシー『シクロ』の出番だ♪
その割に人がいいから、なんとか理解しようと努力してくれるのと、頭がいいので知っている単語だけで何をこちらが言おうとしているか想像しようとしてくれる。
ただしその想像や理解が破滅的に間違っていることが多い・・・(笑)
たとえば住所を書いた紙を見せながら道を尋ねたとしよう。
「ここに行くのにはどう行ったらいいの?」
「そこを右」
「右に曲がってからどっち側にあるの?」
「そこを右!」
「じゃなくて、右?左?どっちにあるの?」どうやら『どっち(Which)』がわからない
「すぐそこを右!右!」 (手振り付きでの説明♪)
「それはわかった!そこを曲がる、その後、右?左?」(僕も手振り付き)
「左!」と言いながら手は右を差している・・・
まぁこんな感じなんだけど、いつも英語が通じることが前提の旅になっていたから、ここまで通じないと逆に楽しい(笑)
ウルルン滞在記みたいだ・・・
シクロに連れられてマンダレイ・パレスの入口のブースに行ってチケットを買おうとすると、渡したうちの2ドル分の札を突き返された・・・
張り紙を読めというので読んでみたところ、汚れたお札は受け取ることができませんと書いてある・・・
どうやら国際的に経済制裁されているミャンマー政府は外国通貨でなければ海外から物が買えないので、どうにかしてUSドルを集めたいようだけれど、汚いお札は外国銀行が決済通貨として受け取ってくれないようだ。
要は偽札の可能性があるからということだろう・・・
でもそんなこと自分たちの責任なのに、自国の観光スポットに入場するのに自国通貨がいっさい使えず、近所に両替する場所もないなんて馬鹿げている。
しかもどこで両替したらいいのか聞こうとしても、ここにいる誰も英語を理解しない。
「使えないのはわかったから、どこで両替すればいいの?」と聞くと
「そのお金は使えない」
「それはわかったから、この現地通貨をどこで両替すればいいの?」
「現地通貨は使えない!」
「それは知っているから、このドルとキャッツ(現地通貨)を交換したいの!」
「ここでは出来ない!」
「わかってるって!! どこに行けばいいの!?」
「そのお札は汚れています。他のお札を出してください!」
「・・・・・・」ってな感じのすれ違いっぷりだ(笑)
こんな調子だから観光に来てほしいのか、来てほしくないのかさっぱりわからない。
とりあえずシクロの運ちゃんにどこか両替できるところが無いか聞いても、英語がうまく伝わらない・・・
するとシクロに乗れと言うのでもう一度乗り込んでみると、前方に見えている大きなホテルを指しながら
「あそこでお金、交換できる♪」
と身振り手振りで伝えてきた・・・
だからさっきからずっと僕はそれを聞いてたんだよ!(笑)
そのホテルの入り口付近に行くとシクロの運ちゃんの仲間のような連中が数人いて、何やら尋ねたりしている。
するとやっと一人、かなりしっかりした英語を話すやつがいて
「キャッツをドルに両替したいの?」と言ってきた。
「そう、この2ドルが受け取れないって言われた・・・」
「こいつが20ドル札なら持っているから、それでよければ両替しようか?」
「ありがとう♪本当に助かるよ!」
っていうわけで無事にきれいな20ドル札が手に入った。
すると
「マンダレイ・パレスに行きたいのか?」って聞いてきた。
「そうだよ」と答えると
「あんなとこ10ドルも払うだけもったいないよ、中に古い建物なんか一つもないぜ」
と意外なことを言ってきた・・・
「どうしても行きたいって言うならあんたの自由だけど、政府の馬鹿どもに10ドルもくれてやって、しかも歴史的価値なんか全然ないもの見たって仕方ないだろ?あんなもん外から写真撮るだけで十分だよ(笑)それに他のパゴダも中に入らなくったってちゃんと見える場所に連れて行ってくれるようにこいつに言ってやるよ♪」
インターネットの接続に関する馬鹿さ加減や、政府の無策ぶりによる国の衰退っぷりに辟易していたところに、さっきのひと悶着で結構気分を害していたところだったから、今の話を聞いてなんだか気分がすっきりとした。
だいたいどうして僕があいつらのために走り回って両替しないといけないのかわからないし、そこまでして見せてもらうほどの価値もないってこいつらが言うなら、その話に乗ってみた方が気分がいい♪
てな訳で今回はロンリープラネットでも推奨している、ミャンマー政府にお金を渡さない旅行の仕方をさらに現地人にも勧められたので、僕もささやかながらミャンマー政府に対して抵抗を試みてみました♪(笑)