昨日アキ・ラが結構な食いしん坊だという話を書いたけれど、その話をしながら彼らのサバイバルライフにも触れて見たいと思う。
現場へ向かう車には後から出発した僕とアキ・ラの二人で乗って行ったから、荷台に乗って行った他の連中とは違ってかなりの厚遇をしてもらうことが出来て正直言ってホッとした(笑)
実のところ今回は荷台、もしくは屋根に乗っていくことも覚悟していたからだ。
どうやらアキ・ラの子供が病気をして具合が悪いらしくこの2・3日あまり寝ていなかった彼は
「ちょっと眠たいので、ここで冷たいものでも食べましょう♪」
と言って、かなり寂れた情緒たっぷりの市場に車を止めた。
そして入っていった(といっても屋台に毛が生えたような場所だから“入って行った”はちょっと違うか?)のは、スウィーツ専門店だった♪
先日プノンペンの水上コテージ(?)で食べたかき氷も相当なレベルで甘かったけれど、どうもカンボジア人はかなりの甘党のようだ。
バナナを練乳に漬け込んだようなやつや、甘い芋をこれまた甘い蜜に漬け込んだようなやつ(味は大学芋にちょっと似ている)があって、甘いものが大好きな僕は結構美味しいと思っている。
アキ・ラは餅もしくは白玉団子の親分みたいなやつに、栗きんとんみたいなやつが入ったやつにカキ氷練乳がけを注文した。
しかし相変わらず日本語が上手い割には僕に何の説明も全く無く、通訳をしてくれる気配も微塵も無いので適当にフィーリングのみで注文をしてみた。
カキ氷は手で氷を持ってカンナで削ってその上に練乳がかかるのは基本形のようだった。
例のバナナの練乳漬けに金時みたいなのが混ざっていて、そこにカキ氷と練乳がけ・・・
結構上手かった。
横ではアキ・ラが何度も栗きんとんのおかわりをしてもらって食べていた♪
って言うかさっき出る前にかなりしっかりと昼ごはんを食べてきたのに、カンボジア人もデザートは別腹なのかと思っていた・・・その時は(笑)
そこで少し待っていると先に出ていた車の連中が合流してきて、いざ現場に向かって出発!
すると突然「あっ、カエル食べる?♪」と言いながら、すでに彼の右足はかなり強烈にブレーキを踏んでいた。
これも前回食べたようなカエルの串焼きかと思っていたら、全然違ってカエルのお腹にレモングラスを始めとした野菜を詰め込んで甘辛く焼いてあるものでこれはマジで美味しかった♪
ちなみにこの間、先に走っていた車は遥か前方で結構待たされる羽目になっていた(笑)
そして現場のある村の村長さんちに到着。
このあたりのような地方の農村地帯は貧乏というのをある意味超越していて、貨幣自体があまり流通していないというのが本当のところだろう。
自分の田んぼで取れた米を自分たちで食べて、後は狩に出かけて取ってきた獲物や魚などと一緒に食べると言う自給自足の暮らしをしている。
子供が何かを焚き火で一生懸命焼いているなと思って見てみたら・・・
いたち?か何かだったけれど、もう少し焼き方に工夫する必要はないんだろうか?(笑)
アキ・ラ曰く「このあたりの人は、犬も猫も食べます♪」
とかわいい赤ちゃん犬が走り回っている横で笑顔で説明してくれた。
「とってもかわいくて、とっても美味しい♪」んだそうだ・・・(笑)
ちょっと複雑な気持ちだ・・・
昼間作業をしていると、ちょっと村人が集まっているところに行こうと僕を誘ってきた。
何か地雷の情報でも有るのかと思ってついていくと、米をフライパンで炒ったやつを臼に入れておばさんたちがトントンと突いていた。
中々写真栄えのする情緒ある光景だ。
写真を撮ってあげると言うので僕もちょっとやってみたけれど、結構この杵に使っている棒が重くて思うように上手く出来なかった。
最初は脱穀しているのかと思っていたら、どうやら違っておやつのような感じの補給食を作っていたようだった。
戦争の時は米を焚く時間や設備が無い場合が多いから、こうやって米を持ち歩いていたんだよと教えてくれた。
「これだといつでも食べられる、腐らないししかも軽いから持ち運びには便利なんだ」
と言って、おもむろにむしゃむしゃと食べ始めた(笑)
これが結構薄味のせんべいみたいで結構美味しい。
でも毎日これしか食べられないとなると辛いだろうなと思って聞いてみると
「ジャングルではいつもハンティングをしていたから問題ないよ。鉄砲とナイフと火はみんな必ず持っていたから」との答えだった。
なるほど・・・
晩御飯が終わってハンモックに揺られていると、突然若いやつがガサガサと音がするペットボトルを持ってきた。
何だろうと覗いてみるとバッタみたいなやつがいっぱい入っている・・・
「これ、コオロギ。おいしいよ」とのこと。
彼にかかれば何でも美味しいになる(笑)
しかもすでに僕の持っていた一眼レフのフラッシュではシャッターが下りなくなってしまう暗さ(僕の使い方が悪いだけかもしれないけど。。。)なのに、連中ときたら懐中電灯のみで地面にいるコオロギのこれまた親分みたいにでかいやつを次々と捕まえていく。
真っ暗闇で一歩間違えば地雷原なのに、全く気にする様子も無くどんどんと進んでいってコオロギを捕まえる。
すると突然一人が木の上をロックオンして動かなくなった。
僕には何にも見えないけれど、一人が慌ててアキ・ラを呼ぶ。
すると鉄の玉が出る空気銃を引っさげたアキ・ラが音も無くジャングルの暗闇から登場し、樹上に向かって狙いを定めた。
一発でしとめたのはムササビだった。
これも数日のうちに食卓に並ぶんだろう・・・
ムササビをしっぽからぶら下げてテントに帰ると、すでに鶏の捕虜が数匹逮捕されていた(笑)
そしてアキ・ラと一言二言話したスタッフが無造作に鶏を掴み上げると、手際よく鶏肉へと姿を変えていった。
魚ですら切り身になってパックに入って売られている国に住んでいる僕にとっては、新鮮で複雑な思いと共にこのようなサバイバルライフでは、食べると言う意味が根本から全く違うということがよくわかったような気がした・・・
そして彼らはまたそのようなサバイバルライフを心から楽しんでもいる。