子供たちinカンボジア

嵐のようにやってきた長江さんファミリーは、まさに嵐のような雨の中シンガポールに帰っていった。
今は雨も上がり曇っているが、太陽が出ていないだけでこんなに涼しいとは思わなかった。
僕の泊まっているゲストハウスから孤児院まで片道15キロくらいあるんだけど、
半分以上がジャングルの中にある未舗装のでこぼこ道だから、行き来するのが非常に大変だ。
日本でダイエット用に乗馬マシンとかを売っているけど、多分強制的にそれに乗っている感じ(笑)
もしかしたら日本に帰るころには腹筋が浮き出ているかもしれない...
そんなことはさておき、長江3シスターズの今回の訪問目的は
孤児院の子供たちと触れ合って、しっかりとコミュニケーションをとることだ。
設定としてはもっとも過酷な条件だと思う、なぜならまず言葉がまったく通じない、
それに文化もぜんぜん違うし、育った環境なんか180度違う。
片や暖かい両親の元、決して貧しくない暮らしをしてきた子供と
両親は亡くなり、貧しいと言うよりは文明すらないようなジャングルの奥地で生活している
孤児の子供たち。

正真正銘の異文化コミュニケーションだ。

実は僕がこのような支援活動を行っているのも、この異文化コミュニケーション能力
と言うか、根本的なコミュニケーション能力すら今の日本人には失われているんじゃないか
という危機感があるからだ。
だから今回の3シスターズの孤児院訪問にとても興味を持っていた。

いやはや、やっぱり子供は素晴らしい。
当初は中々なじめなさそうにしていた子供たちも、
ちょっとしたキーパーソンが現れるとたちまち仲良くなり始めた。
実はあまり中に立ち寄ると大人が介在してしまうので、
実際にどうやって言葉が通じない壁を越えていったのかはよくわからない。
しかし最終的には、子供たちだけでカンボジア最後の夜をこの孤児院で過ごすことになり
今朝帰る直前に僕と長江さんで迎えにいった。
きっと今の日本に根本的に欠けているのは、こういう環境を与えることなんだと思う。
ブランド物の服を着せても、最新式のゲーム機を買い与えても
塾でどれだけ勉強しても、全て親が与えたものだ。
そして学校での勉強には必ず答えが存在しているし、聞けば誰かが教えてくれる。
アジア諸国を支援すると言うと、どうして日本の子供たちのことを考えないのか
などと言われたことが何度もあった。
でも、はっきり言って僕が本当に何とかしたいと思っているのは
その日本の子供たちと日本の未来だ。
でも、日本の子供たちにこれ以上何を与えるというのだろう?
自分から掴み取る機会を与えるほかに何もすることができないんじゃないだろうか。
正直に言ってしまえば、例えばこのカンボジアは僕が何も支援しなくても今後必ず伸びてくるだろう。
国を変えようとしているたくさんの大人たちと、学びに貪欲な子供たち。
そして何よりカンボジア人はコミュニケーションの達人だ。
そうやって、アジア周辺諸国がどんどんと力をつけてきたとき、
今の日本の子供たちが大人になったとき、彼らと果たしてうまくやっていけるんだろうか?
今回の長江さんの子供たちの冒険は、いつの日か必ず役に立つ日が来るだろう。
それは明確な形として見えないかも知れないけれど、心の奥底に刻まれた記憶として
さまざまな場面で生かされることになるはずだ。
一回りたくましくなった3シスターズ、お疲れ様。
次回の企画、楽しみにしているよ!

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