パスポートの名前、間違ってるんですけどw

ともすれば未だに危険だとか貧困だとか、もしくはサバイバルな生活を強いられるのではないかというイメージをされやすいカンボジアでの暮らし向きだが、本当のところはカンボジアに来たことない人には想像できないくらい快適だったりする。

特に僕が暮らすアンコール・ワットの街シェムリアプは世界的な観光地なだけあってリゾートホテルは腐るほど有るから、ふらっとホテルに立ち寄ってプールサイドで食事をして軽くプールでひと泳ぎのような、『日本的感覚でいうところの贅沢』がむちゃくちゃリーズナブルに出来たりする。ただまぁ、普段からバカみたいに糞暑いから、わざわざ炎天下に出かけて行ってまで日向ぼっこをしようなんていう気力がもはや完全に失せてしまったのも事実だけれど。

しかし今年は本当に暑い。先日もカンボジアに比べればずっと南方の赤道直下にあるシンガポールとマレーシアに行ったら、比べようも無いくらいに涼しくてひっくり返りそうになった。どうやら10度くらい温度が低いらしい…‥。実際にシェムリアプ空港に降り立った瞬間に、サウナの中の空気と同じようなあの焼けた匂いがした。車の温度計を見ると42℃、スマホでは実体感温度50℃とかなっていたので、僕が決してオーバートークをしているわけではない。そりゃあ、この暑さじゃ人々も怠けものになっても致し方ないよなぁと思ったりもする。

やっぱり何度考えてみても、農夫の人たちがこんな暑さの中で重労働を強いられて1日たったの5ドルとかしか貰えないのに、「あいつらはちゃんと働かない」とか「すぐに怠ける」とか言ってるのは、こちらの傲慢以外のなにものでもないですよね。
http://hugs-int.com/kengo/archives/2205

で、まぁ重労働を強いられる肉体労働者の人々が怠けてしまうのは、困ることではあることだけれど僕にとっては理解の範疇の話でもある。問題なのは、というか、この実は案外快適なカンボジア生活で最も不快なのは、肉体労働者の人々以外も想像の遥か斜め上を行くくらいデタラメで大雑把だということなのよね。

例えば日本やアメリカだと、スペルミスに関して非常に気を使う。少なくとも公的書類や標識がスペルミスで放置されている例は少ないように思われる。が、カンボジアは一体どれが正しいスペリングなのかわからないくらい、一つの地名をとってもバラバラのスペルで標識に書かれていたりする。いや、確かにわかるんだけれど、そこって統一しなくていいのか?ってこちらが見てて心配になるくらい、なんとなく同じスペルならいいでしょ、的に書いてある。

ちなみに現在困っているのが僕の嫁のパスポートだ。名前のスペルが間違っているw どうもパスポートをを作る際に原本となるIDカードのスペルが間違っていたらしい。ただ間違っているだけならまだマシなのだが、以前持っていたパスポートと更新したパスポートの名前表記が違う。これはカンボジア的には同一人物かも知らんが、他国では『別人』だ。しかも前のパスポートでアメリカに渡航歴があるから、今回のパスポートで名前が違うかったりすると色々とややこしい匂いが今からプンプンしている。カンボジア人はアメリカに遊びに行くためにもビザが必要なのだが、申請者のうちビザがもらえるのが3%とかいう、東大に行くくらい狭き門だったりするので、ここで「ごめん、パスポートの名前間違ってるんです、テヘ。」みたいなこと言うと、顔洗って出なおしていとなるのは火を見るよりも明らかなような気がせんでもない。

そんなん、さっさと作りなおしたらええやん(はい、そこのキミ、決してエセ関西弁のイントネーションで読まないように)、と思うかもしれないが、そこがカンボジアの真骨頂、そうは簡単にことが運ばない。まず、そもそもの原因であるIDカードを再発行してもらう必要があるのだけれど、IDカードの身元認証をする権限のある村長とか警察とか役場のおっさんとかが色々と難癖をつけてくる。要するに金の話なんだが、そもそもが全くシステマチックにできてないので、金を払ったからといってスムースにことが運ぶわけではなく、とりあえず目の前のやつの難癖を聞く時間を短くするくらいしか効果が無かったりする。「はい、これでOK」とか言われて次の場所に行くと「こんなんじゃダメだ、◯◯と△△が足りない」と言われ、再び元のやつのところに戻ると「俺がOKって言ってるのにダメなはずがない」とか言い出したりして、埒が明かないというパターンに見舞われるパターンの発生率はJRが遅延する確率よりもはるかに高い。

これが終わってようやくIDカードを手にすると、今度は飛行機に乗ってプノンペンまで行かなくてはならない。で、これまたパスポートセンターがプノンペン市内から遥かに離れた辺鄙な場所に移動してしまって本当に不便なのですよ。なんでも聞くところによると、パスポートセンターの所長だかが以前までパスポートセンターの有ったプノンペン中心部の地価が高騰したので、そこを売っぱらって金をポケットに突っ込んで、余った金で購入できる土地を郊外に買ってそこにパスポートセンターを移設したとかいう、誠に剛の者な離れ業をやってのけたせいだとかって話だ。僕の感覚値だけで語らせてもらえるならば、多分これは真実だろう(笑)

パスポートセンターに行くと、そこでは職員がセールスに熱中している。何を売ってるかって?それは『早くパスポートを仕上げてもらう権利』だ。「普通に申し込むと安い(公示価格)が1〜2ヶ月掛かる。俺に頼めば1週間で完成するがどう?」みたいな感じのセールストークだ。さらにVIPというのがあって、こちらは特急1日仕上げ、どうやら申請書の代書まで全てVIP待遇で行ってくれるらしい。まぁ、こちらは金さえ払えばちゃんとサービスを受け取れるんだから、IDカード発行に比べれてはるかに『マトモ』だと言えないくもないのだが。

ともあれ、IDカードのスペルミスに気が付かずに受け取ってしまったがために、まだまだ新しいパスポートをもう一度取得し直すという上記プロセスを踏まなければならないと考えると、ただでさえ暑くて湯気が立ちそうな頭が完全に茹で上がってしまいかねないので、当分はそっとしておこうと思っている。

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