シェアリング エコノミー

加藤さんのブログ記事「アジアは『シェアリング エコノミー』型ビジネス大爆発ちう。安さ以上に安全・安心がキー。」に触発されて、僕もちょっと思うところを書いてみたいと思う。

アジアは『シェアリング エコノミー』型ビジネス大爆発ちう。安さ以上に安全・安心がキー。

僕も色々な国に行く機会が多いことから、いつもタクシー運転手のクオリティーの低さ、すなわちボッタクリ、遠回り、乗車拒否にはじまり友人と称する押し掛けガイドの乗車や強制的な土産物屋ツアーなど、あらゆる手段での金儲けの対象にされることに辟易している。まだ流石に強盗的なヤバイのには出会ったことが無いけれど、僕の友人は天安門でシクロ(チャリタクシー)に乗って路地裏に連れて行かれて集団に取り囲まれたという経験もしたりしている。

初めて訪問したベトナムでもタクシーに騙された経験を持っているので、基本的に各国のタクシーに対しては不信感しか持っていない。そんな中、今年の8月に1ヶ月滞在したハノイでUberを使ってみて、いわゆる僕のタクシーへの不信感が全て見事に解消されていることに驚きを禁じ得なかった。ドライバーは丁寧だし車は綺麗だし明朗会計だし、しかも他のタクシーに比べて価格が圧倒的に安い。あー、これは時代の要請で、何らかの力でこの流れを止めようとしても不可能だろうなと、そう思わずにいられなかった。

ベトナムでタクシーに騙された顛末などなど
ホーチミンシティー
もう負けない

このUberもそうだし加藤さんのブログにも書かれているAirbnbもそうだけど、このシェアリングエコノミー型ビジネスというものの別の特徴が大量のマイクロ・エンタープライズ(極小規模自営業)を生み出して束ねたことと、今までの大規模トップダウンマネジメント形企業の終わりの始まりを、より表面化させたところだろう。

実は農業の世界も同じで、世界は今まで大規模プランテーションをやっている企業が、徹底的な効率化と低コスト化を実現させて食糧を世界に流通させ利益を上げてきた。僕達も、これからの世界人口の増加と食糧事情を鑑みて農業ビジネスにチャンスを感じ、カンボジアでそのようなプランテーション事業に打って出たのが4年前。

これね、長続きしないビジネスだなってことに気が付いちゃったんですよ、途中で。そもそも現地農民に一日3ドルでクオリティーの高い仕事しろなんて無理でしょ。そしてその日当も経済状態が良くなるに従って年々上昇を続けていて、今や5ドルが最低基準で季節によっては7ドルとか8ドルになってしまう。すでに僕達が農場を始めた時の倍以上になっているわけです。結局のところ大規模ブランテーションをやろうとすると、でっかい投資をして徹底的な無人化・機械化をするか(といっても途上国では中々難しい)、もしくは「ちゃんと金を払っている」という大義名分のもと経済的な奴隷労働者を囲い込んで強制的に働かせるという2択になってしまう。

しかも規模が大きくなればなるほど目の届かないところであらゆる不正やデタラメ、間違いが起きてしまうことになるので、今度はそれを防ぐためのシステムの導入と維持に無茶苦茶コストが嵩むという結果になっていく。

巨大タクシー会社も巨大ホテルチェーンも巨大プランテーションも同じことなんです。そもそもは小規模で非効率でバラバラだった業界を束ねトップダウンマネジメントで徹底的に管理して、コストを限界まで切り詰めて利益を最大化していくというビジネスモデル。その反面クオリティー維持が難しく、あちこちで噴出するほころびを修正することに力が取られてしまう。

ちょうど世界最大のホテルチェーン、ヒルトングループの所有する部屋数と、Airbnbに登録されている部屋数が同じ60万室くらいとなったようですが、この規模の部屋数を全てトップダウンで管理する必要のあるヒルトングループと、一定のルールの下それぞれのオーナーが自分の利益のためにクオリティーを向上させようと努力するAirbnb、そのどちらがこれからの時代にマッチしていくのかは、火を見るよりも明らかなような気がします。

そしてこれこそが、これからの農業界でも起きていくことだと考えています。極小規模農家(マイクロ・エンタープライズ)に対して具体的なメリットを提案することにより、ネットワーク型の組織を作って個々の生産力を高めていく。インターネットを使えばトップダウン型組織(簡単に言うと上司が部下に強制するタイプのやつ)ではなく、ネットワーク型組織でもモチベーションの高い人々を囲い込んで、バーチャルな大規模組織として十分に生産性を高めることが出来るということは、UberやAirbnbが見事に証明してくれました。

『シェアリングエコノミー』型サービス、加藤さんが書いているように利用する方も快適ですが、働いている方も間違いなく快適だということがビジネス爆発のキーなんでしょうね。

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シェアリング エコノミー」への2件のフィードバック

  1. “極小規模農家(マイクロ・エンタープライズ)に対して具体的なメリットを提案することにより、ネットワーク型の組織を作って個々の生産力を高めていく。インターネットを使えばトップダウン型組織(簡単に言うと上司が部下に強制するタイプのやつ)ではなく、ネットワーク型組織でもモチベーションの高い人々を囲い込んで、バーチャルな大規模組織として十分に生産性を高めることが出来る”
    ここにすごくワクワクしました。ぜひどんどん進んでってください!お手伝いできることがあったらなんでもします。

    • コメントありがとうございます!また色々とお話させてください。よろしくお願いします!

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