2015年スタートアップにオススメ事業領域

1979年創刊のアメリカビジネスパーソン向け月刊誌『Inc』が、起業家やベンチャーキャピタル、各業種のエキスパートたちにインタヴューした結果をまとめた、2015年度の注目事業セクターベスト8を発表した。
http://www.inc.com/graham-winfrey/best-industries-2015-the-best-industries-for-starting-a-business-in-2015.html

注目事業領域は以下のとおり
Fantasy Sports Services(オンラインスポーツゲーム)
Gamification Services(ゲーミフィケーション)
Relaxation Beverages(エナジードリンクの対局にあるドリンク類)
Yoga and Pilates(ヨガやピラティス)
Legal Marijuana(合法マリファナ)
Food E-commerce(食品eコマース)
Public-Sector Technology(公共セクターのテクノロジー化)
Agricultural Software(農業系ソフトウェア)

言うまでもなく、HUGSが手がけるAGRIBUDDYはAgricultural Software(農業系ソフトウェア)の中でも、さらに一歩先端を行く『途上国のインターネット未開拓の地』に暮らす人々をユーザーとして取り込む戦略のもと、日々開発と拡散作業に勤しんでいる。ユーザーに少しでも楽しみながらサービスを利用してもらうために、ゲーミフィケーションも重要なファクターになると考えているので、この8つの領域のうち2つをカバーする感じですね。

僕と共同代表の黒川がカンボジアに移住した時は、まだカンボジア自体が今のような形で注目される直前で、僕が「カンボジアでビジネスをやる」と言っても周囲の誰もがピンと来てくれなくて、カンボジアはボランティアをする場所であって金儲けをする場所ではない、というのがほとんどの日本人のイメージだった。それがここ最近、様々なテレビ番組でカンボジアが取り上げられ始めたり、ビジネスパーソンが大量に押しかけてくるようになったりで、やっぱりあの時『カンボジアに火がつく匂いがする』と感じた感覚は間違っていなかったと改めて思い直している。

その中でも僕はほとんどのビジネスパーソンが手を出さない農業セクターへの可能性を強く感じ、大規模農業というポジショニングでカンボジアでの挑戦を開始したが、僕は当初から農業とIT、そして金融という組み合わせが今後大きなビジネスになると考えていた。なぜそう考えたかということについては、実は別に種も仕掛けもない話で、あらゆる事業領域においてITソリューションと金融サービスが必要ない業態が存在しないのに、農業には全くその影も形も見当たらなかったからだ。

残念ながら後発開発途上国カンボジアでの大規模農業は茨の道で、中々簡単には結果をもたらせてくれないが、お陰でどの部分に最もITソリューションが必要なのか、金融サービスをどのように取り入れていくべきなのかということについては、実体験を通して非常に多くの学びとアイデアを得ることが出来ている。そのエッセンスを100%注ぎ込んでいるのがAGRIBUDDYというサービスなのだが、最近この農業系ITサービスに関してもにわかに注目度が上がりはじめ、いよいよ追い風が吹き始めたと思っている。

今回のIncの記事もそうだが、昨年末にはGoogle会長のエリック・シュミット氏がFarm2050という農業系スタートアップ支援団体を立ちあげたということも大きなニュースとなっていた。
http://jp.techcrunch.com/2014/11/21/20141120farm-2050/

これは今後2050年の地球人口100億人に対して現在よりも70%も食糧を増産する必要に迫られているのに、“起業家が挑戦すべき問題はたくさんあるが、その中の10%ぐらいに90%の起業家の関心が集中している。農業は、その10%に入っていない。本当に重要な課題に起業家たちの関心が分散すれば、テクノロジ企業の数は今の100倍〜1000倍ぐらいにはなるはずだ。”という考えのもと、農業にテクノロジーを組み込んだビジネスを立ち上げる起業家をあらゆる方法で支援しようという取り組みだ。

Incの記事中にもあるとおり、農業巨大企業モンサントが農業系スタートアップを1000億円で買収したりと、巨額イグジットが可能であるということが明確になったことも様々なベンチャーキャピタルや投資家の目を引きつけ始めた一要因かもしれない。いずれにせよ投資家の注目が集まれば起業家たちの資金調達が俄然やりやすくなるために、さらに多くのスタートアップが立ち上げられることになるだろう。

カンボジアと農業系ITスタートアップ。当初はまだまだ無風に近かった僕たちのポジションに追い風が吹き始めたことは間違いない。この風をしっかりと掴んで、社会に素晴らしいインパクト与えるという結果を残せるように、ここからさらに勝負します。

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