今年の汚れ今年のうちに

港区の芝大門に増上寺という徳川将軍家ゆかりの寺がある。


上野の寛永寺と並び歴代の徳川将軍がそれぞれ葬られていて、この増上寺には6名の将軍が葬られている。


東京の歴史めぐりは京都よりも馴染みのある名前が良く出てくるから面白い。
例えば暴れん坊将軍で有名な徳川吉宗が移設させた氷川神社はうちのすぐ近所にあるし、年末の風物詩ともなった赤穂浪士の墓のある泉岳寺もある。

江戸の町は長く栄えた平安京のあった京都を風水的に模して、家康のご意見番でもあった天海坊(実は明智光秀だとか言う説もある・・・)がつくらせたそうだ。

江戸城から見て鬼門に当たる場所が寛永時、裏鬼門に当たる場所が増上寺となり、この2箇所にそれぞれの将軍の亡骸を江戸城に向かうように座らせて葬っている。

ちなみに上野の不忍池が京都でいうところの琵琶湖の代わりの役目を果たしているらしい・・・

まぁこんなうんちくはともかくとして、今日増上寺を訪れたのは14代将軍家茂の正室で、皇室から唯一将軍家に嫁いだ和宮ゆかりの茶室が月に一度公開されていて、今日が年内最後の日だったからだ。


いつも海外に行くたびに日本のことを知らない自分に気がついて、もっと日本文化に親しみたいなんて思いながら帰ってくるんだけれど、茶道や書道はその中でも特に習得してみたいものの一つでもある。

しかしいつも思うんだけれど、世界的な大都会のど真ん中にうっそうと茂った森があったり、こういった趣のある場所があったりするから東京の街はかっこいい♪

お茶をいただきながら、増上寺の名物イベントにもなった年末カウントダウンの生みの親であるお坊さんから色々な話を聞くこともできた。


600年の歴史を持つ寺でカウントダウンイベントを仕掛けるにはかなりの苦労があったようだけれど、それも今回で22回目(昭和63年のカウントダウンが最初だったそうだ)を迎えることになり、今や境内に人が入りきれないくらいの人気イベントに成長したばかりか、この年末の行く年来る年はここ増上寺から中継されることになったらしく、感慨深げに「ようやくやってきたことが形となって実った」と言っておられた。

表現下手で感情を押し込めがちな日本人に、カウントダウンの掛け声とともに一年間溜まった想いを吐き出して欲しいという想いからこの行事を始めたそうだから、色々なことが心に溜まっている現代人のみなさん、ぜひこの年末は増上寺に行ってみてはどうですか?
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