ネパールに入るときにアライバルビザで入国できることまでは知っていたけれど、出国時のチケットを買っておかなければいけないことは知らなかった。 まぁ、常識的に考えれば当たり前のことな訳だが・・・(笑) そのおかげで、タイからの飛行機に乗る際のバタバタは以前に書いたことがあるけれど、それからも相変わらず予定外の誤算で、バタバタと走り回っている。
まずは先日のチトワン国立公園で、朝から野生のサイなどを見に行くツアーに出かけた。
象の背中に乗ってジャングルの中などをウロウロと2時間くらいさまようこのツアー
前日、絶滅寸前と言われている野生のベンガルトラが発見されたという話から、ネイチャーガイドたちが色めき立っていた。 ところが結局見つかったのは、このトラの食べ残しだけ・・・
トラに怯えてサイもどこかに隠れてしまっていて、結局鹿ぐらいしか見ることが出来ず、「こんなもん、奈良公園のほうがようけ見れるがな」という長江さんの台詞で幕を閉じた。(笑)
問題はその後、朝ごはんを食べた後から何もすることが無い。 ここで暇をつぶしているのもなんだし、一日短縮して今からポカラに移動しようということになった。 ポカラと言うのはヒマラヤ山脈が一望できる町で、チトワンからは軽く車で4時間くらいかかる。 僕たちが泊まる予定の宿はポカラからトレッキングで1時間半くらい行ったところにある、前人未到の頂にして“聖なる山”マチャプチャレが真正面に一望できるところなんだけど、僕はトレッキングの意味を完全に勘違いしていた・・・
これはどう考えてもトレッキングではなく登山だと思う(笑)
このあたりで登山と言うのは、山頂目指してベースキャンプからアタックする、はっきり言って命がけの山登りのことを言うのだそうだ。 いきなり宿泊先を変更したい気分に駆られながら、登り始めた僕にトレッキングガイドが「ここから約800メートル一気に登ります」と死刑宣告。
実はそれよりもっと重大な誤算が、これに先立つこと2時間前に発覚していた。 ネパール側からエベレストを見ようと思うと、延々1週間ほどかけて、“トレッキング”しなければならないらしい。 さすがにエベレストを見るためだけに、そこまでの時間的な余裕は無い。 体力的には全く問題ないけれど・・・ っていうのはウソです。 そんな自殺行為に等しい真似は文明的な生活にどっぷり浸りきっているワタクシには無理ってものです(笑)
チベット側からならベースキャンプ(5800メートル地点)まで車で登り、エベレストを間近に見ることがネパール側より短い日程で可能らしい。 そもそもここまで来てエベレストを見ずに帰るなんて、僕が許しても長江さんが許さない・・・ ということで、急遽チベット行きが決定(笑)
ところが今度はチベット自治区のビザを取るためには、パスポートの本書が必要になるが、僕のパスポートはカトマンズのインド大使館に預けたままだ。 そこでドライバーに頼んで、カトマンズまで受取証を届けてもらい旅行会社のスタッフにパスポートを受け取ってビザの手配をしてもらうことにした。そんなこんながありながらも、約1時間半かけて登った先にあった景色は、文才のない僕が説明するのは全く不可能な、本当に素晴らしい景色だった♪
そこには全くの誤算が無かったのが何より幸いだった。
明けて翌日、朝の5時半にたたき起こされて日の出を見に行く。 軽くラジオ体操代わりの約30分間のトレッキング♪ なんだか最近あちこち登りっぱなしのような気がする・・・人生もそうなんだろうか??
10時過ぎに次の宿泊先に向けて約3時間のトレッキングを開始してしばらくしたところガイドの電話が鳴り、なにやら慌てている。 どうやら代理人にはパスポートを渡せないらしい・・・「インド大使館に電話をかけて、事情を話し代理人に渡すように交渉してくれ」と旅行会社の人に言われたので、大使館に電話をして担当者が電話口に出た瞬間に嫌な予感が的中した・・・必殺インド英語スペシャル(笑) トンでもない巻き舌発音・早口でまくし立てる・すぐに感情的になるの三拍子がそろっている上に、自分の英語は正しいという信念を持っている。 はっきり言って何言っているのか良くわからなかったが、委任状を書けと言っている、ということだけは理解できたので、FAXかメール添付で送ると伝え電話を切った。
携帯電話さえタイミングが良くないと繋がらない山の中、FAXなどあるわけも無く急遽僕とガイドでポカラの町まで引き返すことにした。 するとまた次の問題が発生、今日は金曜日なので1時半に大使館が閉まるし、明日からお祭りで3連休ということが判明・・・ ふもとまで降りて車を拾ってポカラまで30分、委任状をFAXしてカトマンズで受け取り、大使館まで持っていくのに30分。 ということは、昨日1時間半かけて登った道プラスαを40分で行かなければならない。
本当にきつかった・・・山道をずっと駆け足で下りながら『僕は一体何をやっているんだろう』と自問自答するしかなかった(笑) まぁ、結局このポンコツタクシーの親父も頑張ってくれたし、間に合ったんだけど
これまたFAXを送ることが出来る場所を探すのも一苦労だったとだけ言わせてください。
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