昨年11月17日にβ版としてリリースをした、途上国農家向けインターネットサービスAGRIBUDDY。まずは自社の農場で作業工程進捗管理用に使っていたGPSによる農場面積の測定など、機能を限定した状態で実際にカンボジアの農家(カンボジアで農業に挑戦している日本の仲間たち含む)に現場で使ってもらいながら、改良点や今後の方向性を探ってきた。
『AGRIBUDDY ベータ版リリース完了!』http://hugs-int.com/kengo/archives/2210
スマホなんて触ったことのない、インターネットがなんなのかさっぱりわかっていないような農家のおっちゃんたちに、どうすれば便利に使ってもらえるようになるのか。彼ら途上国農家の人々の情報量とデータの少なさ、それに伴うあまりにも非合理的な意思決定や非効率的な行動を、どうすれば少しでも改善できるようになるのか。そこにのみフォーカスをしながら、必要と思われる機能を考え続けてきた。
そんな中で僕たちが出した最初の結論は、途上国農家をネットワーク化させることでした。下手をすれば生まれた村の周囲50キロから一生外に出ないような、閉鎖された情報空間で生きている農家の人々を相互ネットワーク化することによって、正しい技術や情報の共有が出来るようにする。自分の作業や成果を人に見てもらったり、認めてもらったり出来るようにする、ということが途上国の農業を改善する最も大きな一歩になるということに気付いたのです。
先日の投稿『貧しいカンボジア人の欲しいもの』でも触れたように、カンボジアのような”典型的な発展途上国”の、これまた貧困層の代表例でもありそうな地方農村に暮らす人々ですら、日々スマホを所有する人口が増えている。これらスマホを含む最先端テクノロジーの価格は日々下がり続け、インターネットのカバレッジエリアはどんなジャングルの奥地に行ってもカバーされそうな勢いで広がっている。このような潮流があるからこそ、今までテクノロジーやITから取り残されてきた農家の人々が、スマホを使ってネットワークを作り最新情報を共有するという姿が想像可能となってきた。
近い将来、必ず訪れるであろうそのような未来図が待っているのであれば、それを僕たち自身の手で成し遂げたい。「いや〜、そんな簡単にはいかんだろう」と誰もが口を揃えて言うだろうからこそ、僕たちが挑戦する価値がある。
というわけで、本日4月1日にようやくAGRIBUDDY正式版をリリースすることとなりました!
https://agribuddy.com
https://play.google.com/store/apps/details?id=hugs.agribuddy
また、このプロジェクトを成功させるべく香港に設立したAGRIBUDDY LIMITEDが、ワールドワイドなベンチャー投資市場に非常に強いコネクションを持つScentan Venturesより第三者割当によるシリーズAAラウンドの資金調達を行いました。このことにより、今までよりさらに開発とフィードバックのスピードアップを図り、僕たちの農場がある”世界最後発”農村地方パイリンから、途上国随一にして最大の農家ネットワーク構築に挑戦します。