新興国でビジネスをするということ

僕たちはいつもカンボジアの大いなる可能性について言及しています。そしてそれは何もカンボジアという一国に限ったことではなく、世界中の様々な新興国に多くのチャンスが残されています。

では、なぜそれほどまでに新興国にチャンスが残されていると断言出来るのか、ということについて少し書いてみたいと思いますが、これはもの凄く単純な話で、要はこれらの国には「足りていないことだらけ」だからだということなのです。

足りていないもの、それはインフラや法整備、さらには文化や教育、社会性など一つ一つを挙げだすとキリがないくらいたくさんのものが未成熟で未発達です。この足りない部分にこそ大きなチャンスが潜んでいる代わりに、足りないものだらけなので僕たちの想像の常に斜め上を行くようなトラブルに見舞われることにもなります。

実は僕たちを含めた外国人が一番わかっているようで、理解していないのがこの「足りない」という部分だと最近特に感じるようになりました。こういった何もかもが足りない国だからチャンスがあると思ってやって来ているのに、僕たちの母国である先進国のように物事が進まないとクレームを言う。想定外の物事が起きると「リサーチ不足なのではないか」とか「管理能力が無いのではないか」などどいったような声が聞かれるのは、何も日本企業だけではなくある程度発展した国からビジネスをしに来ている人々から異口同音に発せられている言葉です。

これは、これから様々な新興国で事業にチャレンジしようと考えている人々に伝えたいことなのですが、僕たちが事前に想像している「足りない」と実際の「足りない」は全く次元が違います。本当に想像の斜め上というか、時には真後ろからパンチが飛んでくるよな事が日常茶飯時に起こります(笑)

例えば僕たちは公文書は絶対的に正しい、という思い込みがあります。住民票やそれに基づいて発行されるパスポート。もしここに記されている内容がデタラメだったら、それは偽物ですよね?僕たちの常識に当てはめれば。。。でもカンボジアは違います。大半の人々の住民票(こちらではファミリーブックと言います)やパスポートに記載されている生年月日はデタラメです。間違っているわけではなく、あえてデタラメを書いています(笑)学校に行く時に歳を取り過ぎていたから生年を3年改ざんした、とか普通です。

スペル間違いとかもザラにありますし、以前孤児院の子供たちのパスポートを取得すると、半数の子供たちの誕生日が1月1日でした。そして常日頃自分の年令を30歳だと言っている人のパスポート上の年齢は24歳だったり、もう訳がわからなくなったのを覚えています。でもそれで、ちゃんと日本にも他の国にも行けてしまうのです、だって政府が発行したものだから。

こんなのはほんの一例ですが、あらゆるシステムの成り立ち方が僕たちのそれとは違います。なので僕たちの常識に当てはめて「足りない」と思っているだけでは、それこそ本当にこちらの想像力が「足りない」という状況に陥ってしまいます。そしてその想像力が足りていない状況は常に起こり続けます。でもそんなことには屈せず、そんな時こそ「だからこそチャンスがある」ということを思い出して、多くの人々に新興国でのビジネスを楽しんでいただきたいと思います。

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新興国でビジネスをするということ」への2件のフィードバック

  1. 本当に共感できます。現地のパートナーが頑張ってくれてるのに、日本の感覚で要求されても 対応できない時 すごく現地のパートナーに悪いと思っちゃうことしばしばです。

  2. 吉本さん
    この感覚の違いって、どうやっても埋まらない気がしますよね・・・。どっちも正しいとしか言い用が無いというか(笑)

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