さて、本日午前2時12分をもってようやく名実ともに蛇年入りしたカンボジアですが、僕にとってもはいつもよりも若干暇な日曜日というだけの一日なので、普段通りジムにトレーニングしに出かけました。そもそも日本ですら元旦当日はあらゆる場所が休みになるので、僕もコーチもさんざんジムの人に「クメール正月の間も開けているのか?」「本当のホントに??」と確かめ、明確な返答を何度ももらった上での話です。
まぁここまで書けばもう結果はおわかりでしょうが、キッチリとジムは閉まっていました。しかも表の張り紙には今日から4日間お休みしますと書いてあります(笑)
ちなみに普段からカンボジアに暮らしていると、こんなことは日常茶飯時に起こります。誰もが胸を張ってしっかりと約束してくれたことも、それがきちんと履行される可能性は限りなく低いです。たまに破られる、ではなく、殆ど守られる事がないというくらいの確立で約束は無かったものになってしまいます・・・
例えば今回のジムの件のような出来事は日本的な感覚で言うと「嘘をつかれた」ということになりますが、カンボジア的な感覚では「嘘を言ったわけではなく状況が変わっただけ」ということになります。僕はいつもこの「嘘」というものについての考え方の違いは、カンボジア人と日本人という場合のみならず、日本人同士でもよく戸惑いを隠せない感覚に陥ることがあります。
そもそも嘘には大きく分けで2種類あると思っているのですが、そのひとつは『誰かを騙してやろう』と企むとか『明確な意思を持って隠し事をする』というような積極的な嘘です。このタイプの嘘はもちろん言うまでもなく最悪です。そして僕は基本的にこういうタイプの人が嘘をつかなくなることはあり得ないと思っているので、出来る限り付き合いを避けることにしています。
そしてもう一つが『約束を果たすことが出来なくなってしまった』とか、『敢えて聞かれなかったから言わなかった』いう消極的な嘘です。ちなみに世の中の男性のほとんどは浮気に対する嘘は、この消極的な嘘に該当すると思っているのではないでしょうか(笑)
さて、厄介なのはこの消極的な嘘というやつで、そもそも出来ない可能性の高い約束をした時点で僕は積極的な嘘に該当するのでは無いか、と思うのですが、約束した方はその時は出来ると思ってしまっている、ということなのです。その出来ると思った理由を問いただし始めると、そこには人それぞれの調査能力とか知識とか問題解決能力とか、要するに相手の力量に大きく依存してしまうわけで、結果としてある一定の力量や実績がある人以外の約束は、最終的に消極的な嘘になってしまう可能性が高いということになります。
この消極的な嘘について、これは「仕方が無いことだ」と教えられて育った人と、「消極的であってもそれは嘘なのだから、最大限の力を持ってして回避しなければならない」と教えられて育った人との間には明確な差があります。結局のところ、上に書いたような力量や実績がある人というのは、消極的な嘘になってしまいそうな状況を「どうにかしてでも嘘にならないようにする」ということをやってきた人になるのでしょう。
そんなわけで、「約束を守れないのは仕方がないことだ」と考えている人が多数のカンボジアでは、積極的に騙しにかかってくることはあまり無いのでついつい油断しがちですが、日常的に消極的な嘘は蔓延しています(笑) 僕もこのカンボジア的『消極的な嘘だらけの世界』に感化されること無く、精進しなければと思う次第です。。。
こちらは以前、日本人のウソについて書いたエントリーです
カンボジアスタディーツアー2011
http://hugs-int.com/kengo/archives/1258
アジアの一地方としての日本
http://hugs-int.com/kengo/archives/1239