これからのHUGSの展開に備えて優良で広大な農地を探していたところ、顧問弁護士からの情報でシェムリアップから150キロ程離れてタイの国境の方に行った街に、かなりの農地を余らせている人々がいるので行ってみないかと誘われました。
タイの国境と言えば、僕はポイペトといういつもバンコクに行く時に通る街しか知らないから、てっきりそっち方面に向かうものとばかり思っていたら、今回は全くポイペトとは違う場所でオッドーミンチェイという州にあるアンロン・ヴェンという街だった。実はそこに到着するまで全く知らなかったんだけれど、このアンロン・ヴェンという場所はポル・ポト派最後の拠点となっていた場所で、ポル・ポト自身もここで息を引き取りその墓もあるっていうところだった。
今回僕達を案内してくれた人も元クメール・ルージュの党員。なんでも1993年UNTAC主導のカンボジア民主選挙でクメール・ルージュ(ポル・ポト派)が勝っていたら、自分がコンポン・トム州の知事になるはずだったって言ってるけれど、そもそもその時の選挙をクメール・ルージュはボイコットしてるわけだから、真意の程は誰にもわからない(笑) でもまぁそんなことはさておき、元クメール・ルージュの人々はとっても素朴で正直な人が多いらしい。(もちろんそれも真意の程はわからんが(笑))
しかしいつものことながら感じるのは、カンボジアが貧しいと言う言葉がどうしても適切ではないってことだ。確かに世界的な基準である経済の観念からすると、金を持っていないんだから貧しいということになる。でもこんなに広大な農地を余らせているにも関わらず食うに困らず、昼間からハンモックに揺られてゆらゆらと昼寝している人多数。なんだかんだと言って豊富な山の幸、トンレサップ湖の魚などに恵まれていて、いつも食材は新鮮だ。朝から晩まで、時には働きすぎて過労死したりする割には、金がなければ食う事自体にも困ってしまったりする日本人と、金はないけど適当にしていれば適当に食っていけるカンボジア人。
本当に貧しのはどっちなんだろう・・・
干ばつなどで努力しても何も出来ないような土地とは違い、放っておけばいくらでも草木が生えてしまいにはジャングルになってしまうくらい豊かな土地だ(笑) 実際にここも元々はジャングルだったんだけれど、軍人たちが伐採して全部金に変えてしまった。 ちなみにバブル当時日本人が喜んで買いあさった高級木材の出処は、案外こんなトコロだったりしている。。。
街の中心部からポル・ポトの墓所方面に向かうとタイとの国境になる。この柵を隔てた向こう側にはタイ語で書かれた標識が見える。
昨年世間を騒がせた赤シャツ派の親玉タクシンがタイの首相だったときはカンボジアのフンセン首相と仲が良かったので、どんどんと両国間の交流を深めていっていたんだけれど、反タクシン派の現首相になってからその計画の大部分は無期限延期状態。タイ側の電気の送電線も国境でぶった切られている(笑)
人間は自由に行き来できないこの国境を、写真の犬は当たり前に自由に出入りしていた。この国境を自由に通行できない生き物は地球上で人間だけだよね。いつも思うことは、犬でも猫でも自由に行き来できるような(日本の場合なら魚でも鳥でもだけどw)国境のために、人間が命をかけたりするような意味は絶対にないってことなんだけどねぇ・・・
さて、国境近くの市場はこんな感じ。西部劇に出てきそうな雰囲気です(笑)
このすく近所に巨大カジノ(タイ人向け)を建築中だっていうんだから商魂逞しいっていうか、やっぱギャンブルって儲かるビジネスなんだろう。日本も早くカジノを合法化すりゃあいいんだけれど、きっとそうなったときには時すでに遅すぎるんだろうな・・・
こちらはポル・ポトの墓所がある場所。
僕達の知っているポル・ポト像は『世界屈指の虐殺王』って感じだけれど、実際に彼と接していた元クメール・ルージュ党員の人々にとっては違うようだ。
一番最初に逮捕されたポル・ポト派最高幹部の一人だった、タ・モクの自宅前に置いてある移動式ラジオ放送局。
この放送局が実際に使われていた時代に思いを馳せてみたりしながら、「当時、我々外国人がここに来ることが出来ただろうか?」と質問してみると、もちろん無理だっただろうという返答だった。ただ時代とそこにいる人々の考え方が違うだけで、安全な美しい場所にも危険で死と隣り合わせの場所にもなる。
うーん、なんだから色々と考えさせられた一日でした。
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どの土地も神様のものだ、という気がするんですが(あ、私は無宗教ですよ!でも、人間の力を超えた存在、のようなものは、信じているんです・・・)。考え方次第で、危険を含めた、色々な可能性が出てくるのはコワイですね。でも、空を見ていると、そんなこともウソみたいです・・・。
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>あやめさん
神様がいるかどうかという議論はともかくとしても、ども土地の人間のものではないはずですよね。そしてあやめさんが言われるとおり人間の力を超えた存在のようなものは必ずあると僕も信じています。
そういうことを信じて生き続けていきたいと思います♪