フィフォン半泣き

先日のエントリーちょっと真面目な話♪)に書いた質問、適正な給与とは一体いくらなのだろう?そしてその適正な給与以上を望むことは不適切な行為なのだろうか?という問に対して、僕達孤児院の運営資金を支援しているメンバーが出した答え、孤児院の運営者であるフィフォン家族一人当たりの適正賃金は、現在のシェムリアップの人々の賃金よりは少し高い月額100ドルだった。理由は下記の通りだ。
(参照)
ちょっと真面目な話♪
http://hugs-int.com/kengo/archives/1191

・まず第一に生活にかかる費用、いわゆる食費や光熱費、衣類等の購入費は全て寄付金で賄われている。ということは月額支給される100ドルは全て生活にかかる費用以外に使用することが出来ることから考えると、現在のシェムリアップの賃金事情から言っても十分な給料だと考えられる。
・次に、現在家族が全員一緒に暮らしているのだから、一人100ドルと言っても世帯主入は400ドルということになり、これをもって収入が少なすぎるということは絶対にないはずだ。
・さらに、現在の孤児院の運営にかけることができる費用は、寄付金で調達している月額2500ドル程度、これでは子供たちのケアをするのに十分な金額とは言えず、どちらかと言えば自分たちの収入を減らしてでも子供たちのために資金を使うべきだ。
・孤児院はビジネスではない。収入を第一の目的とするならば別の事業なりを立ち上げるべきで、その収入を使って自らが率先して孤児たちの世話をし、さらに足りない部分を我々が支援するべきなのではないののか。

それに対してフィフォン家族からの回答は、100ドルではあまりにも少なすぎる、というものだった。その時にフィフォンから出された意見は下記の通り。
元々の土地は家族所有のものだし、自分たちも毎日子供たちの面倒を一生懸命みている。もし自分がホテルなどに働きに行けば月額300ドルはもらうことが出来るし、いずれ結婚をして孤児院の外に住むことになればとてもじゃないけれど、月額100ドルでは生活できない。だから最低でも自分の給料が300ドル、お父さんは土地も提供して子供たちのために一から孤児院を立ち上げたのだから、もっと多くなければおかしい。
ってな感じだ・・・それを聞いた僕は「じゃぁ、お前ホテルで働け!」って言ってやった・・・
「孤児院を運営するのは、誰かに助けてもらうためじゃなくて、自分たちで子供たちを助けるためでしょ!?だったらまずは自分で稼いで身銭を切ってみろ」
「僕も、ポールやサラも、他の支援者も、誰も家で札を刷っているわけじゃない。みんな頑張って働いたお金の中から支援しているんだ。僕が始めた孤児院なら僕が責任を取らなければいけない。でもお前たちが始めた孤児院なんだから、まずはお前たちで運営資金を稼げよ、違う??
きつい言葉かも知れないけれど、それが事実だ。カンボジア人に一番多い、そしてもっともダメな間違いの一つが『自分たちは誰かに助けてもらうべき対象だ』と思っていることだ。フィフォンは僕にメタクソに言われ、すっかりしょげ返って半泣きになっていた。
今のように全てを寄付金の中から捻出して生活している限り、例えばフィフォンがiPhoneを購入したり、ちょっと新しい服や車でも買おうものなら絶対に誰かが騒ぎ出し「おかしい、自分たちの金が不正に使われている」ってなことになって、そのたびにこんな風に責められる。そんなの絶対に誰だって嫌なはずだ。
そしてフィフォンたちだけでなく、孤児院や学校やその他色んな施設なんかを運営している人たちは、決してマザー・テレサのような『煩悩という欲望を捨ててしまった』人たちではない。みんな僕達と同じように贅沢もしたいし、美味しい物も食べたいし、おしゃれな格好もして、友達と遊びに行ったりしたい人たちばかりだ。
そのためにも、まずは彼らが『自分たちのことは自分たちで支える』という気持ちになってくれること、そして、そのためにはどうすればいいのかを、僕達支援者に問いかけてくれるようになることが大切だと僕は思っている。それに対する僕の出した答えが、今、せいきゅん『Smile JP』『すべらない男アッキー』を始めとする、みんなに協力してもらいながらスタートさせている様々なビジネスプロジェクトだ。
マイクロクレジット
http://hugs-int.com/kengo/archives/1107
サンセットツアー
http://hugs-int.com/kengo/archives/1111
養豚ビジネス
http://hugs-int.com/kengo/archives/1243
ティラピアの養殖ビジネス
http://hugs-int.com/kengo/archives/1192


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フィフォン半泣き」への11件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS:
    おっしゃってる事凄くよくわかります。
    ODAの世界でも一番困るのが、援助される側の援助慣れ。
    今、日本のODAはかなりの批判を受けていますが、現場の殆どは一貫して、相手側の自助努力を浸透させるべく必死でやってきて、その事実は評価されるべきだと思います。
    彼が持つ援助されて当然な存在であるという認識を変える日がそう遠くないと思います☆

  2. SECRET: 0
    PASS:
    稼げる事業の構築と社会貢献の両立、どちらも大事ですね。
    だからこそ、ビジネスの手法を嫌わずに有効活用していくべきだということを、援助する側(KENGOさん達は分かっていらっしゃるとしても)にもされる側にももっと浸透させていく必要があるのだと思います。

  3. SECRET: 0
    PASS:
    フィフォンさんやその他途上国の人が援助されて当然と実際に言っていたとして、でもそれは彼等のせいでは無いのでは?
    もし、教育でありこのマイクレでありを寄付の代わりに既に提供してきていたら、途上国の人は寄付以外に自分達の足で立てる方法があるのだと当然学んだはず。しかしそれが今までは十分で無かったわけですよね。ただ寄付するのみが多かったわけで。
    途上国の人は援助されて当然と思っているのではなくてそれ以外に術を知らなかった(知る事ができなかった)と言う事だけでは無いですか?
    だからこそユヌス氏が画期的な訳で、だからこそけんごさんが今やってらっしゃる事がとても大切で、そしてせいきゅんさんやackyさんの貢献がとても素晴らしい事となっているのでは?
    だから、フィフォンさんのせいじゃない気がする…。
    泣かさないで下さーい…。

  4. SECRET: 0
    PASS:
    >ささらさららさん
    援助慣れという要素が一番大きいのかも知れませんね・・・
    こちらの子供たちに『どうしてカンボジアは貧しいんだと思う?』と問いかけると、援助が少ないからだという答えが返ってきて、唖然としたことがあります。
    これは決して子供がそんなふうに思っているわけではなく、大人たちの言葉の受け売りなのでしょう・・・
    それを変えていきたいと思います♪

  5. SECRET: 0
    PASS:
    >有澤 誠司さん
    まさにおっしゃるとおりです。
    なぜか社会貢献と言う名の行為を行う人の中には、利益を出す事業を行うこと、お金を稼ぐことに嫌悪感をいだいているような人々が、少なからず存在します。その双方の意識改革が課題になると思います。

  6. SECRET: 0
    PASS:
    >時事問題オタク・えびてんさん
    もちろんそのとおりだね。
    決してフィフォンが悪いわけではない。だから俺も決して怒りながら言ったわけじゃないよ(笑)
    彼の言い分を一つづつロジカルに潰していくと、ドンドンぐうの音も出なくなっちゃったって言うのが実際のところ。
    そして、このような話を実はもうすでに去年から何度も繰り返しフィフォンにしてきているんだ・・・でも彼もまだ頭では分かっていても、実感としてないんだろうね。だから同じ話を何度もしながら、俺達としても実績を出して体験させてやらなければ、ただの絵に描いた餅になってしまう。
    うーん、いいプレッシャーだ♪

  7. ピンバック: 必勝法 | 北浦健伍の「僕、カンボジアで農業始めちゃいました」

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