分かってはいたことだけれど、改めてグラフを見せられてびっくりしたのが下記のグラフ。
人類の歴史が約18万年と言われているそうだけれど、地球上の人口が10億人を超えたなんてのはこのたった2百年あまりの出来事だし、第2次世界対戦直後ですらまだ25億人程度しか存在していなかったようです。それが今やインドと中国の2国だけでそれだけの人口を擁している。もしかすると地球史上最大のバブルは人口なのかもしれないなぁ、なんて思ってしまいます。。。
さて、HUGSはカンボジアで農業にフォーカスする企業HUGS Agricoを設立したわけですが、それはこの人口爆発と大いに関係しています。いったいどのように関係してくるのかを簡単に説明したいと思いますので、しばらくお付き合い下さい。
下記は世界の穀物耕作面積と人口、単位収穫量の推移です。
上から2段目と4段目の数字に注目して下さい。2段目は世界の穀物農場の面積、4段目は人口です。実は1981年をピークに穀物耕作面積は緩やかに減少しているにも関わらず、人口は伸び続けています。現在この地球上では、毎年500万ヘクタールの原始林が伐採されて農地転用されていますが、同じく500万ヘクタールの農地が気候変動や砂漠化などの理由によって放棄されています。ちなみに500万ヘクタールとは、日本中の田畑すべてを足したくらいの大きさなのですが、これだけの規模の森林と農地が同時に地球上から毎年消滅し続けているということです。
では、そのような状況下でも人口が増え続け、これだけの人数を養うだけの食糧を生産できているのはなぜでしょうか?
その答えが3段目の数字、単位収穫量の増加です。単位収穫量とは「1ヘクタール当たりで収穫できる穀物の量」のことなのですが、これが2.1トンから3.2トンヘと大幅に増加しています。このような単位収穫量の増加を可能にして来たのが農業の近代化、すなわち農地の集約による大規模化や化学肥料の投入、機械化などのテクノロジーの進化によるものなのです。ところがこの近代化による工業型の農業では様々な弊害も生み出して来ました。それが食の安全性の崩壊です。
これからも増え続ける世界人口に対応するためには、カンボジアのような途上国の原始的な農業がどんどんと近代化し、大規模で工業型の農業となっていく必要があります。その反面しっかりとした安全基準をもたない、目先の利益や収量を追求するだけの農業が行われる可能性もどんどんと大きくなっていき、口に入れることすらはばかられるような危険な作物が次々と市場に並ぶことにもなりかねません。
というわけで、HUGS Agricoではこのような農業の近代化を推し進めながらも、日系企業ならではの安全性に特化した食糧を生産したい。日本国内では出来ない集約型大規模農業を行うことによって、効率的な生産性を確保することに挑戦して行きたいなぁ、なんて思ってます。