想像以上に闇は深い・・・

せいきゅん率いる『世界に笑顔を増やし隊!』プレゼンツ、カンボジアの孤児院の子供たちを東京ディズニーランドに招待しようプロジェクトに、まず必須のアイテムが言わずと知れたパスポートだ。
当たり前の話だけれど、うちの孤児院の子供たちはパスポートなんぞ持っていない・・・
ということで、孤児50名および引率の大人5名のパスポートを一気に取得しなければならない。
(参照)
・とんでもないこと Part1
http://hugs-int.com/kengo/archives/1122 


この件に関して僕は当初かなり楽観的に考えていた。
別にカンボジアがテロ支援国家の指定をされているわけでもないし、鎖国政策をしているわけでもないから、人々が海外に出ることに関して政府が寛容な姿勢を取っているからだ。
まぁ東南アジアにありがちな時間のルーズさと、多少の政府関係者へのおみやげがいる程度だろうくらいのイメージでいた。


ところが次から次へと書類を作らなくてはならないし、渡航者全員の顔写真が載ったリストは作成しなくてはならないし、挙句の果てには出生証明書(戸籍謄本のようなもの)が5部も必要だとか言い出した・・・
「おいっ、ちょっと待て・・・たかだかパスポートを取るのに、一体なんでそんなにたくさんの書類や出生証明が必要なんだ?」と僕は思わずフィフォン(孤児院のディレクター)に聞いた。
フォフォンが言うには「プノンペン(政府)に行くまでに、全ての行政区の長のサインをもらわなくてはならないから、そこで1部ずつ証明書がいるんだ」ってことだ。
 

我が孤児院はチェレス村という村に建っているので、まずここの村長さんに1部。
次にこれらの村が10村くらい集まってコミニューンという行政単位になり、ここの長にサインをもらって1部。ちなみに僕がやっているマイクロクレジットは、このコミニューンという行政単位を対象にしている。
さらにディストリクト(日本でいうと市にあたる)と、プロヴィンス(同じく県にあたる)の長にそれぞれ1部ずつ提出してサインをもらう。
ようやくそれでパスポートの申請ができるって言う寸法だ。
しかも書類を渡したまま長い間放置されたり、場合によっては忘れられたり無くされたりしたくなかったら、お小遣いを渡さなければならない(笑)
 

いつもパスポートを取るために一々そんなに面倒な事をしなければならないのか?と聞くと、通常大人たちが海外に遊びに行くにはそんなことする必要は全くないと言う・・・
ここで少し真顔になったフィフォンが僕にこう言った。
「こうやって子供たちを招待すると言ったり、国際結婚すると言ったりして海外に連れていかれた子が、何人も売り飛ばされて酷い目に遭っているんだ・・・だから政府は誰が、何のために、何人の子供たちを連れて、いつからいつまでどこに行って誰と会うのか、ということをすごく細かく聞いてくる。」
「ただし、実際には政府の役人はそんなこと調べるのが面倒だから、チェックをそれぞれの行政区の長にさせるために、下から順を追ってサインをもらっていく必要があるんだよ」


「・・・・・・・・・」


僕もまだまだ分かったつもりになっていただけで、現実を知らなかったことを思い知った瞬間だった。もちろん人身売買や国際偽装結婚、幼児売春などの話は以前から聞いて知っていたし、現実的に毎日身寄りの無い孤児たちを相手にしているわけではあるけれど、子供たちがあまりにも明るいことや自分が慣れてしまったせいもあるのか、自分の関わっている子供たちがそのような人身売買などの対象者であることをまるで意識していなかった・・・



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想像以上に闇は深い・・・」への6件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    インドネシアで地震が起きたとき、真っ先に動いたのが人身売買の組織でした。ハイチの時はユニセフが空港を閉鎖し、事なきを得ました。
    悲しいけど現実にあった事なんですよね。
    そのための防衛策なんでしょうが、受け入れ先が公共系だと比較的やりやすいんですけどね。
    でも、KENGOさんならきっと実現できると思っています。
    応援してますし、できる限りお手伝いしたいと思っています!

  2. SECRET: 0
    PASS:
    パスポート取得するのに、日本のお役所もびっくりな実態ですね(><)
    一時、臓器売買のために子供が売られる、というようなニュースも日本に入ってきていました。 人間のやることって、本当に哀しい。 という私も人間だけど。 
    KENGOさんの努力が実って、無事みなさんディズニーランドを楽しむことができるよう、祈っています!

  3. SECRET: 0
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    >ささらさららさん
    なるほど・・・それは知らなかったが、災害の時に真っ先に動くのは何らかの利害を持っている人々だという話は耳にしたことがありました・・・
    これも一つの現実なんですね。
    また一つ、勉強することが出来たとともに目標が増えました。
    いつも応援、本当にありがとう!

  4. SECRET: 0
    PASS:
    >miyakoさん
    そうなんですよ、それもこれも全て人間がやっていることであって、現実のできごとなんですよね。
    それを非難したり現実から目を背けてもても意味がないし、自分たちが出来ることを着実に進めたいです。
    応援感謝しています!

  5. SECRET: 0
    PASS:
    マザーハウスの山口絵理子さんもバングラディシュでひどい目にあったそうです。
    車にはねられて怪我をしている子どもを警察官に助けてあげてと頼んだら、賄賂を要求された。とか、自分宛の郵便が郵便局まで届いているのに2万円賄賂を要求されて受け取りをあきらめたとか・・・
    信頼しきっていたビジネスパートナーにパスポートを盗まれたりしたそうです。

  6. SECRET: 0
    PASS:
    >toshizo_hijikataさん
    バングラはカンボジアよりさらにひどそうですね。
    こちらでも、夜、道端に子供が倒れていたりしても助けちゃダメだよと言われています。その子を病院にでも連れていこうとしたところを警察に逮捕されて、誘拐容疑を着せられてしまい大変なことになるそうです・・・
    なんだかやるせない話です。

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